鹿丸にTELしたのは、ついさっきのような気がしていたが、どうやら違うらしい。
ベッドの脇に置いてある時計が示す日付は、数日経っていたし、携帯はビニール袋に入れられている。
枕元に見舞いの品なのか、いくつか紙袋が置いてあるのが見えた。
1つを手に取ろうとして、自分の腕や体からいくつもの管が繋がっていることに気づいた。
どうしてこう動きにくいのか、やっと分かった。
邪魔な点滴を寄せて、やっとの思いで体を起こした飛段は、紙袋の中に質の良い部屋着やパジャマが入っているのを見た。
誰からなのか、カードをみてすぐ分かった。
『お前のお陰で毎日場内指名されまくり
早くNo. 1を奪還しに来い! S』
(……鹿丸さん……サンキュ…要らねーもんを俺に…)
少し笑ってみたが、飛段はすぐ無表情になった。
この俺の姿を鹿丸は見たのだろうか。
見てなければいいのに、と飛段は思った。
あれから角都がどうなったか、うまく逃げおおせたか分からない。
もちろん連絡の取りようがない。
無事であることを祈るしかない。
それにしても、この管の数を見る限り、
ここからそう簡単に動けそうにないことは分かる。
飛段はため息をつき天井を仰いだ。
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