繁華街から一歩入った所は、狭い路地が迷路のように入りくんでいる。
物影に潜んで、ひたすら追っ手をまく。

黒いコートが濡れているのは返り血を浴びたからだ。

見覚えのある背中が見えたと思ったのに、急に視界がぼんやりしてくる。

目の前の道がだんだん細くなってゆく。それでももがきながら走り続けた。

何かがおかしい。俺は何処へむかっている?いつの間にか地下の階段のような所を走って降りるうちに足元が崩れ出す。

もう駄目だ…!


眩しい光に視界を遮られ、次に目を開けた時には、仰向けに自分が寝ているのに気づいた。



見えているのは、どうやら病院の白い天井のようだった。

自分の呼吸が乱れているのと、脈が激しく打つのを飛段は感じた。



……そうか、あん時撃たれて…ここに…。

もう、何日、ここに居るのだろうか。

そして、角都は……無事なのだろうか。


窓から見える木ノ葉の景色を虚ろに見ながら、思いを馳せた。





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