鹿丸は弾かれたように走り出したが、たちまち警官たちに取り押さえられた。
現場を荒らされる訳にはいかないからだ。
「知り合いです!怪我してる奴、知り合いなんだ!」
鹿丸は叫んだ。
「何、知り合いだって!?」刑事らしき男が聞いた。
「はい」と言うと、刑事は、じゃ、一緒に来て下さい、と言った。
「…撃たれたんですか!?無事なんですか!?」
「分かりません。病院に搬送します。では、すみませんが署で話を聞かせて下さい。」
話している間に、飛段は担架のまま、運ばれていった。
鹿丸はその時はじめて、ホテルの廊下に閉め出されたことに気づいた。ガウンのまま、フロントに連絡を取ってもらい、鍵を開けてもらうはめになった。
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