角都なら必ず、どんなに困難でもあのターゲットを換金してくるだろう。飛段はそう思った。

(…角都……すまねぇ…。動け…ねえんだよ………
…いっそ不死身なら…良かった………のに…

……待ってて…いい…かな…?俺……あんたのこと…)



慌ただしくなった廊下から、ベルを鳴らす音と、さらにドンドン、とドアが叩かれた。
尋常ではない騒ぎだ。

鹿丸がガウンを着て出ると、ホテルマンと共に警官が立っていた。

「葉隠れ署の者です。たった今、隣の部屋で発砲事件がありました。

こちらは被害ありませんか?何か音が聞こえたりしませんでしたか?」

何も聞こえなかった、と答え、ちらと騒ぎの部屋の方を見ると、二人の人間が中から運び出されるのが見えた。

一人は武装した男で、もう一人は……飛段だった。





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