鹿丸は、情事のあとに煙草をふかすのが習慣になっていた。

(…はぁー…調子狂う…全く)

今日の俺は一体どうしたんだ。鹿丸はため息をついた。

今日はなんだか女の喘ぎが半端でなかった。

それにどうも、一度ではなく二度イカせたらしい。

枕営業は誰にでもしない。
特別にした相手から、スゴく良かった、と言われるのは当たり前としても、
明日の店のことを考えると、二度イカせるなど自殺行為だ。

いつも良くしてくれる客へのお礼みたいなものだから、
これはボランティア以外の何物でもない。
寝る時間をさいてまでやるのは、鹿丸の信条に反していた。
アフターやホテルで逢うことは、ホストにとっては結構キツい仕事なのだ。


それにしても今夜は、やたら鹿丸、鹿丸と名前を叫ばれるし、二度目に果てた後、もうすでに女は幸せそうに寝息を立てている。

…だりぃんですけど…!

自業自得なのだが、夜景の窓に映った自分を見てまたため息をついた。

と、ホテルの下に救急車が止まるのが見えた。

しばらくして、廊下から数人の走るような足音や、器具の音がし、鹿丸はこの階の客が運ばれるのだと気づいた。




[*prev] [next#]

[page select]100





top










「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -