角都の黒い髪が顔に触れ
気付くと唇を重ねていた。
過去の金が絡んだ込み入った事情から、
自分だけ水商売にくら替えすることを余儀なくされたとはいえ
――よく俺は角都を置いて
こんな世界に身を置けたもんだ。
飛段は思った。
身体がくたくたであっても
明日がどうなろうとも
ただ、貪り合いたかった。
またいつ逢えるとも分からない最愛の男との時間を感じていたかった。
目の前の鹿丸を虚ろに見ながら飛段は角都を思い出していた。
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