アスマが逝ってからというもの、気付くとここにいる
この忌むべき場所に
引き寄せられるように来てしまうのは何故なのか
昼間でも暗い影を落としているこの森の禁止区域に――立入禁止の立て札をものともせず――足を踏み入れる
大切だった人の墓前に居ることよりもここに居る頻度が高いことが、どこかでおかしいと気付いてはいた
その墓石のない墓の前にあぐらをかいて座り込むと動けなくなる
雨に濡れても足が痺れても多分何があっても
今まで知らなかったけれど、囚われるとはこういうことを言うのだろう
分かってる
結末を受け入れられずに
逃げてるってこと
俺はここで俺を正当化して
永遠に会えないあの人に
赦してほしいのかもしれなかった
自分の情けなさを
弱さを
あの時の戦略ミスを
あの任務遂行後、均衡を失った心を取り戻したかったのかもしれない
けれど
ここにいて
それが叶うとは思えなかった
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