呪わしい声と共に
白い肢体が目の前に現れた
悪夢の声の主だった
忘れられないあの瞳が俺を見ていた。
朱く染まっているはずの
原形を留めていないはずのカラダは
完全に元に戻っている
――何故―?
仕留めたはずなのに何故?――
疑問も足元も頼りなく宙に浮いたような感じがする
「必ずお前の喉元くらいつきに行くって言ったろ」
不敵な笑みを浮かべてそいつは言った。
鳥肌が立つ。かと思うと鼓動が速くなる
ゆるく生暖かく循環していた血が次第に逆流していくようだ。
視界が赤く染まってゆく気さえする。
「いいぜ…
俺はお前と繋がってやってもいいぜ」
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