一方の財前は、部員たちを叱りつけている真琴の姿を見て微かに笑っていた。

「あーほんま、おもろい人や」

合同合宿に魅力がなかったわけではない。

でも財前のような人間があのような場を好むはずもなく、それが白石たちに余計な気を使うことを財前が一番良くわかっていた。

まして白石たちと同じ方法でなくても、練習はできる。

そちらの方が財前にとって好ましかったので、合宿に参加しなかったのだが…。

理由はもちろんそれだけではない。

マネージャーが招集されない合同合宿に行っても真琴と離れるだけで、モチベーションが上がらない。

財前が燃えるには、真琴の存在が不可欠だった。

また…真琴を意識しているのは自分だけではないことを、財前は知っていた。

「先輩ら、南の島ではしゃいどる間に…点数稼がせてもらいますわ」

そして財前は漫才コンビを鎮めるために、真琴の後を追った。

頭の中で、合宿組が不在の5日間の計画を練りながら。



END
「そういやオサムちゃんが、「白石がおらんうちに余った部費でタコパしよか」とか言うてましたけど」

「おおきに財前。後でオサムちゃんしばいとくわ」

「付き合いましょか」

「そやな、お願い」



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