とある席で、どういう流れかお互いの子供の話になった。
話しているのは、意外と子煩悩な真田昌幸と大谷吉継の両人だ。

「うちの弁丸は初心での!!いまだ女中にすら慣れぬ始末じゃ」

「我が名前も同じようなものよ。人見知りで、とくに男と顔を合わせれば、悲鳴を上げて逃げ出す始末」

「まことに弁丸もその通りよ」

「そうであったか…。ならば似た者同士、縁談でもまとめておくか?このままでは縁もなかろうて」

「うむ、それはいい考えじゃのう!!」

その日縁側では、二人の大人の我が子自慢と笑い声が絶えなかったと言う。



後日武田の屋敷にいる弁丸の元に連れてこられた名前。
それをお館様より聞かされ、弁丸と名前は呆けるしかなかった。

「わたしたち…そんなことでいいなずけに…?」

「す、すまぬ…。そのようにござる…」

「なぜ弁丸さまがあやまるのです?これは父上たちがおきめになったこと…弁丸さまはかんけいありませんわ」

「し、しかし…もとはといえば、それがしが…」

面目なきゆえに。
そう言いかけたとき、名前がきゅっと弁丸の手を握った。
丸々とした小さな手と手が、しっかり繋がれる。

「それはわたしもおなじにございます。わたし、よきつまになれるよう、がんばります」

にっこりと笑う名前に、弁丸の頬がぽっと染まる。

「名前どの…!!それがしも、よきていしゅになれるよう、じんりょくいたしまする!!」



「あれ?なんで旦那ったら名前様には破廉恥って叫ばないの?」

幼い二人の可愛らしいやり取りを隠れて見ていたのは、信玄と佐助。
昌幸と同様に、我が子のように可愛がっている弁丸が心配でたまらなかったのだ。
しかし冷静な佐助に対し、信玄はだいぶ熱が入っていた。

「佐助よ…あれがまことの恋よ」

「え、お館様…それ本気で言ってんの?」

それは弁丸7歳、名前5歳の折の話であった。






史実で幸村の正室が刑部の娘だって知って、感極まって作ってしまった夢。
あと弁丸を書きたかった…
ちなみに年齢などは史実丸無視です!
そしてこの時期に佐助がいていいのかも…
と、とにかく昌幸様と刑部に万歳!!

ライラック=初恋
姫ライラック=ライラックの小型の類似種




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