あまりに生やら死やらに関わっていると、其の境目が見えなくなってきた。躊躇も無く剣を振るうと途端に肉塊になる瞬間を、此の汚れた眼で何度目の当たりにしてきただろう。其れはほんの一瞬の容易過ぎる作業だ。辺りにこびりつく血液も先刻まで体内で巡り鼓動を打っていたと云うのに。しかし其の生に殆ど意味は無く、俺が殺した所で世界が止まる訳でもあるまいし其れから又命は産み落とされ続けるのみで生死はただただ繰り返されるだけなのである。其処から発展する物があるのかは疑わしい事だ。故に俺が罰を受ける筈も無い。

しかしかく云う俺も何時かは途切れる命で。其れなのに命を絶ち続ける事に矛盾を感じたりもするが此処まで来た今、後戻りは出来ない、故に俺は今日も人情も何もかも捨て刀に血液を捧ぐ。

嗚呼もう、生か死か、死か生か、解らない。躰が無くなれば死ぬのか。俺は体を持っている。だけど心は既に何処かに落としてしまった。躰は生きようと食物を求むし排泄も拒めないが、涙はとうの昔に枯れ尽きた。感情全てが俺の中から消えた。此が、生と言えるのですか。







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