Mystery01
さてさて、順を追って説明したい所ですが、出来るだけかいつまんでご説明いたしましょう。自分の頭の中から心へ向かって、整理整頓を兼ねて!

まずは私が転勤してきたのは半年前、東京都にやってきた。会社の友人に連れてこられたのは米花町という聞いた事がある地名の場所。私は最初そういうイベントがやっているのかと思った。大興奮の末連れてこられたポアロでは目の前にいる安室さんに、あとから来たコナンくんに色々とやらかした。それなのににこやかに対応してくれている安室さん、苦笑いで対応してくれているコナンくんに私は……申し訳無さが止まらない。だってまさか本人だと思わないでしょう!?

私は名探偵コナン大好きだ、前世での記憶もばっちりある。きっとあのサムスィングが言っていたのはこの事なんだろうと思う、あの自問自答みたいなやつ。
降谷さんの事なんてこれでもかっていうくらい好き、好きなんだけど…あっちが私を怪しむならいざ知らず、私が怪しんでいる状況っていうのが今の状態

それが三か月前のお話。そして今私はポアロの前で腰に手を当てた状態で仁王立ちだ
こんな事しているから入りづらくなるんだよって気づいた時にはもう遅い。もう立ち止まってしまった
ポアロの前で仁王立ちして扉を睨む女、これはもう立派な営業妨害です
今日の私は彼らに会いに来たわけじゃない、自分の行いを悔いて懺悔しに来たんです。息を整えていざ!足を踏み出したところで「ねぇ」という声が聞こえて足を元の位置に戻し、それと同時に私は口元を両手で覆った

「大丈夫!?気持ち悪い!?」

小さな子供の手が私の服を引っ張ると私は手を口元から離した

「大丈夫、心臓が出たのかと思った」

「はは…んなわけ…」

ボソッと呟いたコナンくんが私から離れてポアロの扉に向かった。ドアノブに手をかけて開けていてくれるコナンくんが私を訝しそうに見つめる

「入らないの?」

「は、入る」

コナンくんが押さえてくれている、ここを逃すともうダメだと悟った私は手と足を一緒に出して店内に入って行った。手と足を一緒に出したのはわざとだよ、それっぽくコナンくんに見せかけただけ
本当言うとこんな暑い時に外で仁王立ちはきつかった。でもその暑さが私の背中を後押ししてくれるとさえ思って今日にした。効果は無かったけど。店内に入るとスーパーほど冷えていないけど気持ちいい涼しさ
今日は安室さんだけらしく、いらっしゃいませの挨拶をされてコナンくんに促されるがままにカウンター席に座った

「こんにちはなまえさん。いつ来てくれるか楽しみに待っていましたよ」

こわ。もしかしたら私が何かだと思って疑ってこんな事言っているのかもしれない。でもそうだとしたら大成功、何も知りませんけど色々と知っていますってゲロッてしまいそうなくらい恐怖心が沸く。その隣でコナンくんが先ほどと同じように乾いたような苦笑いを浮かべていた。とりあえずのアイスコーヒーを頼んでから他にお客さんがいないのでコーヒーを一口飲んで気合を入れてから今の内に謝罪をしようと心に決めた。
アイスコーヒーを作った安室さんがお店側に出てきてコナンくんにコーヒーを置いたあと、私の前にもコースターを置いた後にアイスコーヒーを置いてくれた

「あ、の」

今だ。安室さんとコナンくんにごめんなさいを言おう。そう思ったのに彼が私の耳元にまるで内緒話しをするように顔を寄せてきた。

「どうして閉店間際に来てくれないんです?」

小さく呟いたような声、私の耳にかかる吐息に私はまるで蚊が周辺を飛んでいるかの如く彼から体をコナンくんのほうに逃げるようにして自分の耳をバシンッとたたいた。彼のほうを見ると、彼は驚いた顔をしてからすぐににこやかで柔らかい表情だったのを少しだけ険しい顔にした

「なぜ叩くんです」

私の手を取って耳から離させた彼は、そのまま私の耳に触れた。無言だけど、優しい手が私の耳を撫でる

「ところで今まで付き合っていた方はいらっしゃいますか?」

はぁーーー!?

急にいつもの調子に笑ったかと思えばこの質問、雰囲気が甘ったるくて口から糖という糖が出そうになったというのに急に話しが変わった。あと汗臭いかもしれないから近寄ってこないでほしい。汗臭くないとしても体にぬりぬりしたシーブリーズさんの匂いがするかもしれない。私が戸惑ってコナンくんへとこれでもかっていうくらい寄って行けばコナンくんがため息を吐き出した

「安室さんそれくらいにしといたら…?なまえさん困ってるよ」

私が欲しいのはそういう助けじゃない!

とりあえず「ですね」なんて言って笑って離れて行ってくれたので、私はカウンターに肘を乗せて自分の指同士を顔の前で絡ませて目の前にいる安室さんをジッと見た。今度こそ!と思い眉を寄せて真剣な顔のまま話始める

「この間はすみませんでした。意味のわからない絡みをしてしまって、本当に反省しております」

こっちは本当に失礼をしてしまった事を謝りに来たというのにキョトンという顔を安室さんにはされて、それからすぐに表情を緩めて私を見た来た
可愛い笑顔ですね!!!

「気にしていませんよ?あなたらしいなぁ…と思って元気が出ました」

「なまえさんが変な人なのはもうわかってるから…」

私にとってはあなたたちが変な人だよ!!!でもさすがにこの二人に向かってそれは言えない。そもそもで探偵二人にかかったら私は怪しい事をしている人物だけど怪しくは無い、っていうふうに位置づけられたのか、それともこんな小童に何ができるかっていう…確かにただの一般人だけど子供では無い
自分の脳内で話が曲がっていったけど、とりあえずストローに口をつけていた。安室さんとコナンくんは何の変哲もない会話をしていて、私は全部飲み終わったのでストローから口を離した

「どう突っ込んだらいいのか…あ、ご馳走様でした…。あの、二人とも私の事知っているような感じなのはなんで?」

気にしてなさそうな二人、とりあえず謝罪は出来たので少し落ち着いたころにもう一度謝罪をしてみようと思い、最大の疑問をぶつけた。コナンくんのほうに椅子をくるりと向けて

「知らないよ…会った事ないでしょ?」

「え、そうだけど…」

「僕帰る。安室さん、ご馳走様でした」

「あぁ、ありがとうコナンくん」

「じゃあなまえさんも、またねー!」

「あ、うん」

結局ごまかされたような感じはするけど、コナンくんの会った事ないでしょ?という発言には確かにだった。というか会っていたらおかしい。それともこっちには私が知らないだけで、私を元にした漫画でもあるとか?いや、そんな、私の人生書いたってオタ活してるとか仕事してるとか、そのくらいしかないし、重要な恋愛要素も出会いも無いんだからあったとしてもきっとつまらない何かだ。それにそもそもでこの二人が漫画を見ているとは思えない。
とりあえず、コナンくんもいなくなったので、コナンくんが出て行ってから私も椅子から立ち上がった

「それじゃあ、私も帰ります」

床に足をしっかりとつけて安室さんのほうを見ると、安室さんはバニラアイスをテーブルに置いたがそれを引っ込めようとしていた。わざと、って思うのに引っ込めさせてしまうのもこの目の前のしっぽとか耳とかが垂れ下がったようなポメラニアンてきな犬をむげにはできない。私はばれるかばれないか程度に細いため息を吐き出してから椅子に座った

「おや?食べてくれるんですか?」

「そんな、わざとらしくしょんぼりするような可愛い顔されて私はそれをむげにできませんよポメろさん…」

「また新しい事言いますね…。どうぞ?」

引っ込めかけたアイスを私の目の前に置いてくれた彼のほうを一瞥する。「また」って言った。でもここでまた突っ込んだとしてもきっとまた胡麻化されるんだろう、それならおとなしくアイスを食べて帰ったほうがよさそうだ。アイスをスプーンで掬って、それからそれを口に運ぶ。それをジーッと、ニコニコしながら見てくる安室さんの視線が痛いし食べづらい

「あの…」

「はい?」

「私もしかしてハニートラップみたいな事を仕掛けられていますか?怪しまれて…るとか…私怪しいものじゃありませんよ…?何もできない非力な一般人ですし」

「…それをただの店員である僕に言う事自体がおかしいと思いませんか?」

「ハッ!!」

墓穴掘ったところでアイスを全力で食べてご馳走様をした。コナンくんにも奢る約束をしていたそうで、私もおごってくれるという。この場から逃げたい私はありがたく甘える事にして第二回ポアロ合戦も私の敗北となりました。
というか怪しい事してごめんなさい、の謝罪に来たのに安室さんのせいで余計に怪しい人になったよ。


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