クリスマスは最高だったけど、その後が最悪だった。やっぱりその後は思った通りの忙しさに見舞われて、もうずっと本庁に引きこもりっぱなしで書類と睨めっこに疲れてきた
本当にずっと書類と睨めっこで、現場に出る仕事なんてまったく無いのでそろそろ走り回って動きたい、というかコナンくんと走り回っていた日々が懐かしいよ
にしても、久しぶりに三徹したからそろそろ休憩しないとまた風見にどやされるな…

「あー…なまえに触りたい…」

「来た!!!」

パソコンのキーボードを叩きながら呟いた言葉を待ってましたと言わんばかりに、部下が立ち上がってこっちに歩み寄ってきた。何だコイツら
世間はお正月、俺たちにお正月なんて事は無い。だいたいこの目の前の三人はいったいなんなんだ、仕事しろよ仕事
そうは思っていても心とは裏腹に違う言葉が口から垂れながし、いや、心の奥底で思っている事が垂れ流されているのかもしれないが…

「そろそろ運動したいなー…なまえと運動したい、なまえとヤりたい」

「降谷さん今日一段と激しいですね。会ってなくて何日ですか?」

「クリスマス以来会ってません。もうお正月ですよお正月、お正月って言ったらなまえとお餅食べて出店好きななまえと歩いてる予定なんですよ、脳内では!!!赤井は嫌いだが赤い着物とか着て欲しいし白いファーとかつけてて欲しい!勿論俺が脱がします」

「寝ろ」

大きな声で語っていたら風見が頭の上からファイルを落としてきた。上司の上にファイル落とすとか何考えてんだ
でもついでにそのまま机に突っ伏して寝たら、薄れ行く視界の中で「これちゃんと見ました?」という風見からの声が聞こえてきたが、そのまま一瞬で深い所まで落ちていく
俺の仮眠はだいたい30分、それ以上寝ると余計に眠くなるから勝手に起きるように出来ている…とはいっても多少時間は前後するが。今日も30分後に起き上がると、風見が歩み寄ってきた

「書類ちゃんと確認していますか?」

「してるつもりですが、何か?」

「いえ、そのわりには反応が…」

風見はいったい何を言っているのか、怪訝な目で彼を見遣ると、風見が俺の前に一枚の紙とファイルを差し出してきた。FBI合同捜査本部…それを作る理由が無いだろう、と思ってファイルの中身を確認したら、組織のようなものがまた結成された時にすぐに対応できるように、合同で対策や話し合いをするらしい。名前変えろよ
その説明だけを確認してファイルの表紙を閉じると、今度は風見が怪訝そうな表情をした

「それで開始が1月10日からなんですが、早めにもう日本についているようで今日挨拶に来るそうですよ…。って、結構前に渡したんですが」

「FBIのFの字が見えた時点で見る気は無かったな…」

「見てください、仕事なので」

「とりあえず準備をするから時間聞いておけ」

「はい」

シャワーを浴びて新しいシャツに袖を通してシャワーに入っている間に部下がプレスしてくれていたスーツに袖を通した。少しは目が覚めたけどFBIが来ると思うと仮眠室でいっその事眠ってしまいたくなる。風見が時間を確認したが、出迎えも何もいらないと言われたそうで面倒だから問いかける事もせずに仕事をしていた
そのうち扉が開いて見知った顔が数人入ってくる。出迎えの必要も何もやっぱり無かったな、予想通り日本に慣れている人物ばかりだ

「久しぶりだな、降谷くん」

「そうですか?俺はこのまま一生会えなくてもいいとおもってましたけど」

「そんな事言っていいのかな?ジェイムズのおかげで君にお土産が出来たというのに」

「はぁ?」

赤井の言っている意味がわからずに顔を顰めていると、赤井とジョディという女性が横にずれて隙間が空き、そこから「大げさな…」と呟いた会いたくてたまらない女性が顔を出したのでとりあえず抱きしめた

「降谷さん!!!」

風見に怒られた気がするが、とりあえずなんでもいい。しばらく会ってない彼女が俺の腕の中…で、もがいている

「初めてFBIに感謝しました。ところでなぜ彼女がいるんですか?」

「FBIからの申請よ。私たちのデータを預けるのに公安とFBI側が一番信頼できる人物を選んだの…そっちに文句は?」

「無いですね。なまえなら」

「私は文句たくさんありますよ…。降谷さん、体調崩してないですか?」

「心が崩れている所でした」

彼女が最初はポカンとしていたがそのうちくすくすと笑い出す。人にしては1週間と少しだと言うかもしれないが、俺としては1週間も彼女と離れていた。彼女は相変わらず可愛いままで、肌ツヤも良ければ良い匂いもする
俺の部下とFBIが挨拶を交わしているうちに、彼女の頬を撫でた

「……まさかここで会えるとは思ってなかったです。グレーのパンツスーツ似合ってますね?俺とおそろいの色」

特に他意は無く思ったことを口に出しただけだったのだが、彼女も思っていたのかわざと同じ色にしたのかはわからないが、彼女が胸をトンっと軽く押したために体が少し離れた

「こ、れは違います!ジョディが新調しようって選んでくれただけですから!」

「ホー?」

どっちでもいいが、彼女がとりあえず何してても可愛いので捕まえようと彼女にじりじり寄っていくと、彼女もじりじりと下がって行った

「楽しいか?」

「クマに見つめられてる気分ですね」

「そうか。挨拶は終わったが、君も職場に戻るなら送ろう」

赤井にあたり、彼女がそのまま話しかけられる。俺をクマ呼ばわりか…
彼女が赤井に大丈夫だと伝えると、仕事場に戻らなくてはならないというので外まで送ろうとついて行こうとした

「え、みょうじさん帰るんですか!?もう少し降谷さんといてください!」

「彼女も降谷さんだ」

「そうでした…」

「ついでだから打ち合わせでもするか?俺と彼女と降谷くんの三人で、だが」

「…いいですよ」

まだみょうじ呼びなのは、降谷さんとも呼べないし名前で呼ぶのを躊躇しているというのはわかるが、わざわざ彼女も降谷だという事を言いたいのは俺の自己満足。
赤井は何か話があるのだろうと踏んで了承し、彼女も結局仕事場に電話をしてから会議室へと入った
職場には俺の上司のほうから警察の事件の事でお願いがあって優秀な彼女を借りたいと、適当な事を言って借りているらしい。ちなみに彼女への給料なんてものはでない。俺と結婚しているから

会議室へと向かって赤井の話しを聞いた







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