彼女が開けてくれというので、一つ一つ丁寧に包装をあけて行った。
ネクタイ、ネクタイピン、マフラー…「あとそれっぽくお菓子も包んでクリスマスツリーの下におきました!」って、それは自分で食べるそうで。
あぁ、もう全てが愛しい。彼女にお礼を言うと「もうひとつ」と言って俺の唇に触れるだけのキスをしてきて「お帰りなさい」と笑うもんだから、彼女を抱きしめた
いつも潰れるほどに抱きしめたいのだが、本当に潰れても困るのでそこは自重している。よく彼女がゲームとかをしている時に悶え死ぬと言っているが、その気持ちがよくわかる
俺はあなたにいつもそんな気持ちを抱いていますよ。
今日は残念ながら私服だったので、次本庁に行く時には彼女にネクタイをつけてもらおう。マフラーも普段から使えるようなもので、シンプルだけど肌触りが良い
貰ってばかりは俺のほうだ

「俺はいつも、なまえから色々貰ってるよ」

「え、何もあげてないですよ」

「なまえの初めても貰いましたし」

彼女を膝の上に乗せて、胸に顔を寄せながら言うと、俺のネクタイピンが入っていた箱の角で頭を軽く叩かれた。彼女とどれだけ一緒にいしても満ちたりなくて、毎日が違う、毎日が楽しい…そういえば喧嘩した事ないな。彼女が頭の上に頬を乗せてきた、顔をあげたら彼女の顎にあたるかもしれないのでそのまま問いかけた

「喧嘩した事無いけど、俺に何かある?文句というか…何というか…」

「いっぱいありますけど」

「あるんですか!?」

顔をあげてしまったが、彼女がタイミングよく頭から頬を離していたのでぶつからずに済んだ。彼女に頭突きしたとかあったらしばらく立ち直れなくなりそうだ
彼女に背中を回して放さないままに彼女を見上げて問いかけると、彼女が頷いた

「えっと、ご飯が美味しいから私の立場が無い所、甘やかす所、外歩くとかっこよすぎて可愛すぎて女の人の注目あびてる所、安室さんの時誰にでも良い顔するところ…仕方ないですけど」

「好きです!!!!!!!!!」

「意味がわからないですし!!!!」

もう全部褒められてるような気しかしない。彼女の胸に顔を埋める俺は変態だろうな、でも残念ながら気持ちいいのでやめられない。ただまだお風呂に入っていないらしく、ワイヤーが痛いが、これがお風呂終わった後の何もつけてない状態でやるのがまた最高…黙ろう。

「じゃあ…俺に隠してることは?」

「え?な、ないですよ」

「わかりやすい…」

彼女は嘘が下手くそすぎる。明らかに動揺して心臓が早くなったのが、直接心音を聞いているせいでわかっているし、声も少しだけあがった。しばらく何も言わずにそのままでいると、彼女が肩を押して離そうとしてきたので少しだけ体を離して彼女を見た。胡坐に体勢をかえて彼女を横向きに座らせると、彼女が顔をあっちのほうに向けている

「何ですか?」

「言わないです」

「言ってください」

「一つだけならいいですよ!」

「じゃあ今はそれで手をうちましょう」

彼女が抱きついてきたので、背中に手を回すと、俺の耳元に息がかかる

「れーさんがいない時れーさんの枕で寝てます」

吹きだして笑った。惚気たい、誰かに叫びたい、これ、俺の妻です!!!!
笑っていたら彼女に怒られた、怒られたけどどうしよう、笑いが止まらない。お詫びのつもりで首にキスをしたら彼女が体を離してきた

「ひどいですよ!!れーさんも何か無いんですか!?」

「えー…」

いえないことだらけなんだが…引かれる事ばっかりだろうし、全部彼女に言えない

「あ。その指輪に発信機ついてます」

「……」

「仕事の合間に…アニメのグッズ買いに行ったなーとか、ビデオ屋行ったなーとか…あとスイーツコーナーで30分くらいうろうろ」

「ぎゃぁあああ!!!!!」

彼女が放せというように背中をバンバン叩いてきて、足をジタバタさせたり左右に体を振ったり、とりあえず暴れる。俺は面白くて仕方ない
別にストーカーな気分で見ていたわけではなかった、ちゃんと家に帰ったのかな、とかそういったふうに最初は見ていただけだったのに、そのうち面白くなってしまったのは事実
とくにスイーツコーナーとかで「買っちゃいました」と買った直後に送ってきたメールを見て、これに30分悩んでたのかと思うと面白くて面白くて

「違いますよ、すみません!一応心配でつけていたものですから!」

「だ、だって…何か色々見てるじゃないですか!」

「…休憩時間の癒しです」

「そんな癒し無いですよ!」

あるんだな、これが。彼女が涙目で訴えてくる、これは癖になるのでまた今度何かしていた時にわざと言ってみようと決めた。彼女の首筋に鼻先を埋める
暗い中、クリスマスツリーの明かりだけに照らされて、何をごちゃごちゃやってるんだろうと思うかもしれないが、これはこれでかなり幸せで。

「なまえは今日お風呂、まだですか?」

「一緒に入ります?」

思考停止した。しばらくそのまま固まっていたら、彼女が可笑しそうに笑った

「何か裏があるわけじゃないですよ!クリスマス限定のバスボムとキャンドルがあったので、それでお風呂で癒されようかと…せっかくだかられーさんも…電気はキャンドルですけどね!」

あぁ、それで…彼女からのお風呂一緒に、なんてお誘いはほとんど無いどころか、無いので本気で驚いた。お風呂から出た後は彼女が作ったというケーキを食べて眠ったのは深夜の2時頃だった
クリスマスとか、全然興味無かったんですが、思いがけず物のプレゼントに加えて言葉と彼女をいただいた日でした。サプライズは彼女のほうが上手だな…ほんと







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