また一週間ほど彼には会わなかった。多分仕事頑張っているんだろうなぁ、なんて思いながら私ものんびりと就職活動を頑張っていた
園子ちゃんたちとの約束は二日後だったんだけど、その前に新一に会ってみようと思って新一邸に行ったら、普通にまだ沖矢さんがいた

「んんんんん……!?」

リビングに通されてコーヒーを出され、目の前には沖矢さんと新一が座っている。
私はと言うと、コーヒーカップを両手で持ちながら二人を交互に見ていた

「赤井さんはなんでまだ沖矢さん…?」

「急に子供たちが沖矢がいなくなったら戸惑うでしょうし、園子さんのパーティーに僕も呼ばれていまして…そこに赤井で行くのは少し…」

「あぁ、それは確かに」

私が頷くと、今度は気まずそうにしている新一へと視線を向けた。彼は視線が合うと、どういった態度をしていいのかわからないのか、視線をすぐに逸らされた
話しかけようと思った所で沖矢さんの変声機の音がなったので、切ったんだろうと思ってそっちを見る

「ところで、降谷くんから何か言われたか?」

「へ?……何か…?いえ、かわった事は何も?」

「ふっ…そうか」

沖矢さんの顔をした赤井さんが笑ってきたのでよくわからず、コーヒーを飲んでから首を傾げた。コーヒーカップをテーブルの上に置けば、再び新一と目が合う、何か言いたいんだろうけどいいたいことあるなら早く言って欲しいかな。でも私から話しかけてあげよう

「はじめまして。みょうじなまえです」

「は、はじめまして、工藤新一です…でも、なまえさん俺の事気づいてるんですよね?」

「うん、知ってるよ。だから今日君に会いに来たんだ…蘭ちゃんとはどうなってるのかな〜って思っ…コナンくんに戻ってくれないかな…可愛くない…」

電話がきたので何も考えずに取ったんだけど、もしもし言う前にまだ話を続ける事ってあるじゃん?耳につけるまで
それをやってしまったんだよ、うっかり

「その姿のままじゃ抱っこできないし、うっかり手を繋ごうものならカップルに見られる事もあるし、ぎゅーってできないよね、もしもし?」

“…ホー?”

そのままスマホを投げたら沖矢さんがキャッチした。私はソファーにうつ伏せでお尻を突き出した格好でそこにあったクッションの下に頭を埋めた。どうしよう、コナンくん相手ですよって言えない、コナンくんいないもん

「降谷くんか?……一緒にはいるが今のは俺相手に言った事じゃないぞ。いや、坊やだ……あぁ、君の彼女ならクッションの下に潜り込んでるぞ。……坊や?それはパーティーの時に直接聞くと言い。切るぞ」

ソファーから顔を出すと、スマホを投げられたのでキャッチした。タバコの煙を吐き出す沖矢さんを見ると安心しろ、大丈夫だ、なんて言われた。安心できない

「あ。そういや…なまえさん。園子がドレスとか髪の毛とか蘭と三人で予約してるらしいからその事についてはまた連絡するって言ってましたよ」

「ほん?」

その後は確かに園子ちゃんから連絡が来て2日後の昼間から三人でいた。園子ちゃんにエステとかネイルとかあっちこっち連れ回される
最後に服と靴とメイクとヘアメイク…その頃にはもう疲れた。いや、肩の凝りも脚の浮腫も綺麗さっぱり取れたし眠れたしほんとうに気持ちよかったんだけど、何か色々なものが減った気がした…
蘭ちゃんは赤いドレス、園子ちゃんは黄色いドレス、私は白いドレスだった。パーティー用のだけど

「もっと…オリーブ色とかのなかったの…?」

「ダメよそんなのー。なまえさんは白じゃなきゃー似合ってるじゃない」

「うん、凄く似合ってると思いますよ!」

蘭ちゃんにも似合ってるといわれて渋々まあいいか、とそのままにした。白のテールカットドレスは肩の紐がないし思い切り肩が出ているからさすがにボレロてきなものを借りた
蘭ちゃんの赤いドレスも凄く似合うし園子ちゃんは相変わらず若々しい
それから車に乗せられて夕方にホテルについたので三人で最上階のレストランまでのぼっていく

そこには世良ちゃんやジョディ先生とか元太くんたちもいたけど、新一がまだ来ていなかった。そりゃ主役だもんね

「なまえさん」

「安室さん、お仕事無理せずにやりましたか?」

「ええ、睡眠もちゃんと取りましたよ」

小さな声で問いかけると、安室さんが笑って返事をしてきた。目が合わないなーって思って安室さんが見ている方向を見ると扉があいて新一が入ってきた。それと沖矢さんも

「あぁ…そういえばこの間せっかくなまえさんと電話したと思ったらあとから出たのは赤井でした」

「んんんん、新一くんおかえりー!!」

誤魔化すように逃亡した。みんなが新一に歩み寄って行く。事情を知らない元太くんたちは戸惑ってるみたいだけどね
その子たちに新一が話しかける。さみしいだろうけど一から関係を気づいて行くしかないだろう…でも一から積み上げるの得意だろうな、きっと

ずっと見守ってた人だから、母親の気分になって新一を見ていた。みんなに囲まれている彼を
私はそれを見ながら夜景に背中を向けてワインを煽っていた。立食パーティーだから料理は自分でとりにいく、でも私のは沖矢さんが取ってきてくれた

「ありがとうございます」

「いいえ…。まるで母親のような目で彼を見るんですね」

「まあ、見守ってきてたからね…」

安室さんは色々な人に捕まったりしていて、私と沖矢さんの所にジョディ先生とキャメルが来てしゃべる。こっちだけ大人の空間みたいになっていた







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