服部くんと和葉ちゃんとお知り合いになってから、しばらくたちました。

私も新しく就職先が決まりまして…なんていう報告ができたらよかったのに就職先を探している所で公安から協力要請が来ました…なんか形違うだろって本気で思う。一番最初のは私の職場の情報を流せっていう話しだったからわかる、でも潜入しろっていうのは絶対おかしいと思う。しかもお金出すとか言われてさ?理由が公安所属の人に生徒として入れられそうな人材がいないから
いやいや、無理があるでしょう、私の歳もかんがえて…って思ったのに、とりあえず制服だけでも着てみて違和感が無ければそれで私に頼むという。おかしいでしょ?おかしいと思うよね?でも就職決まってない私は結構お金ピンチでさ、人って結局お金で動く事になると思うの。
しかもあの旅行みたいな日からしばらく安室さんとも降谷さんとも会ってないのに、こんな事していたら今度こそ本気で会えなくなりそう。その潜入は夏休みが始まるまでの一ヶ月、その一ヶ月でいったい何を収獲しようというのか
話しを聞くとそこの高校の教師と生徒が結構危ない宗教に誰かしらを勧誘しているという、それで段々とその宗教に関わった人の変死体とかが発見されているとかなんとか…うん、関わりたくないね。とりあえず私が高校生の制服を着て、まずは公安の中でいて誰かに高校生に見えないと言われなかったら成功

制服は降谷さんのスーツと同じグレーでちょっとテンションがあがってる。
髪も整えられて、メイクはわからない程度にうっすらと、ほとんどすっぴん状態なのが辛い、そして肩には一日キャップというタスキがつけられた…ここが普通に学校なら即座に写真撮られてSNSにアップされるレベル…
この事は風見さんどころか降谷さんもしらない。どうか誰もいませんように、と思って連れていかれたのは警備企画課、よりによってなんでここ…公安のほうが知ってる人いるのに…警備企画課とかあんまり来ないじゃん。降谷さんだって別の部屋だし
そこのお誕生日席みたいな所に座らせられた。

「高校生がなんでここに…」

「一日キャップって書いてあるけど。それ一日命令従わなきゃいけないとか?」

「なんかどっかで見たような…」

どうしよう、誰も高校生に見えないって言ってくれない、死ぬほど浮いてる。こんな所でどうしようと言うのか、と思ったら問題集と写真みたいなのを持ってこられた

「はい、暇そうだから仕事です」

「えー…」

「高校生の問題を忘れている場合がありますし、これをやっててください。ちなみにすぐ期末テストがありますからしっかりと…出来ればクラスメイトと仲良くなって欲しいので」

「わか、りました…」

「お願いします」

もう、ぜんっぜんできるわけがない!せいぜい英語くらいしか出来ないよ!うんうん言いながら問題集を解いていくも、もう面白いくらい何も出来ない。私を連れてきた人はもういなくなっていて、話しかけられた

「あの、公安の方ですか?」

「違いますよ」

「あー…協力者ですか?」

話しかけてきた男の人に対して頷くと、何かすごく白い目で見られた

「一般人が公安どころか警備企画課に来られるわけがないんですよね…何かコネでも?」

「ある…っちゃありますけど、望んできたわけじゃないですし。その人にどうにかしてもらってここに来ようなんて思いません。むしろ帰りたいです」

「ここに来られる事は名誉な事ですし、珍しいどころじゃないのに、何を高校生が生意気な!」

見事に絡まれていた。暇人か、仕事しようよ…
それとも普段の憂さ晴らしに来たのか…みんなの視線がこっちに来ていた

「絡むのやめろよ。高校生相手に…それに上が決めた事に文句つけるなって」

「俺は警備企画課にわざわざ連れて来られたのが気に入らないんだって!仕事しにくいだろう!」

「もー、私の事は気にしないでどうぞ仕事してください!」

問題集が進まない、まったくもって進まない。
ため息混じりに言うとすごく睨まれた

「お前が情報を漏らさないとは限らない」

んんんん、やりたくてやってるわけじゃないし、いたくてやってるわけじゃないのにこのやろ!!

「あの人が忙しい理由がわかるわ。こんな頭の悪そうな人潜入したり出来なさそうだもんね!」

「おい、やめろって。絡むなって言ってんだろ。ごめんな…こいつ寝てないからカリカリしてんだよ…」

もう一人の人がその人の腕を持って帰ろうとしたがその人がまだ私に文句を言おうと口を開く。もう違うところにしてもらいたいなぁ、と思った所でノックが聞こえて人が入ってきた

「降谷さんの仕事を取りに来ました」

「お疲れ様です。降谷さんまた徹夜ですか?

「まだマシですけどね。夏に休暇取りたいらしくてしばらく籠りっぱなしですよ」

「降谷さんが休暇?」

「ええ、降谷さん大きな仕事が終わってるので少し息抜きに…」

声からして風見さんだと思ったけど、目の前にいる二人のせいで見えないし、別に助けて貰おうなんて思ってないからいいけど。
風見さんが来た瞬間に目の前の人が黙ったので良かったが、その隙に写真を見ていたらその写真を閉じるという地味な嫌がらせをされていた
仕方ないから問題を解こうとすると机をガタガタされるし、本気でこの人なんなんだろう

「構えよ!」

「……子供か!」

私がツッコミを入れていたら「あぁ…好きな人いじめるタイプかぁ」なんて隣の人に呟かれた。そんなのいらない…

「風見、ウィダー買ってこい」

「降谷さん、お疲れ様です」

「お疲れ様です!」

目の前にいた人たちも振り返って挨拶をしていた。降谷さんって本当にすごい人なんだなって感じたけど、この人に今の姿は全力で見られたくないため机の下に潜ってすぐに二人の声が聞こえなくなったので机から顔を出して座った

「はぁ…」

「どうした?降谷さんのカッコ良さに逃げたか?」

「あぁ、そうね」

まったくもってその通りだよ。半分あたり
そして隣にいたはずの人はいなくなり、最終的に前にいて突っかかってくる人には地味に返事を返していたら、嫌がらせは減った。
問題集が半分ほど終わったあたりで顔をあげたら、その人がコーヒーを持ってきてくれたのでお礼は言ったが飲む気にはなれずにそのままにしていた…のに

「なんで俺が入れたコーヒー飲まねぇんだよ!」

とまた突っかかってきた。

「ごめんねいらない!誰かコーヒー飲みますか!」

そう言ってほかの人に渡ったのでこれでいいかと思ったのに、その人に結局睨まれた。年齢とか聞かれたのであっさりと答えると「犯罪じゃ無くなった、よかった」なんて言われる。あれ、もしかしてこの人なんか私に気でも持ってるのかな、と思って頬杖をついて顔を見てみた、しばらく見ていたら顔を背けられてその顔は赤い。あ、私が降谷さんに対する態度だな、なんて思って顔を背けて再び問題集を解いた







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