ドキドキしていたのに、ついた先は教会で、この時本当に彼が死んだのかと思ってしまった。教会の隣に隣接する建物に連れていかれて、着替えさせられたあたりでさすがに察したけど。
髪も化粧品もされて、肩とか腕にラメの入ったきらきらひかる粉のようなものをパフでつけられた

ニヤニヤしてる部下の人達に連れられて教会に入っていくと、神父の前に正装した彼がいたので笑ってしまった。彼の部下が拍手をしてきて、私は1人でその道を歩いて彼のところまで行った
高いヒールを履かされたとは言えドレスは凄く長く、ブーケを持ったままの手でドレスを掴んで上にあげるとか…難しい事言ってくれる
ブーケの持ち方とかもあるらしく、もうどうでもいいじゃん!って思ってたのに、歩きだしたらちょっと後悔した。つんのめないように注意しながら歩いて、もう少しで彼のところにつく頃になったら、彼が迎えに来てくれて手を貸してくれた

「れーさん…正装面白いくらい似合ってないですね」

「俺もそう思う。風見と上司が着ろって言うから」

苦笑いで言ってくる彼、タキシードのほうが見たかったけど、貴重な正装が見れたのでまあ、良いかな…。彼と向かい合って立たされる

「2人でしようとしたんですけど…部下が参加するとか言い始めて…こうなりました」

「あはは、愛されてますね」

それから神父さんの話しが始まる。カタコトの日本語には少しだけ口角が上がってしまった、まるで目暮警部たちの前のジョディ先生みたいだったから。
お決まりの誓いますか?を問いかけられて答えると、近いのキスと言われて彼がベールを上にあげるのに合わせて少しだけしゃがんだ。ヒールが高いせいでいつもより彼の目線が近いから、いつもだったら多分しゃがまなくても取れただろうに、少しだけ不思議な感じがする

「ほっぺ…だよね?」

「いえ、口にします」

「ま、え、ここで!?」

「そんな…いつもみたいな深いのはしないから。してもいいならするけど」

「いいいい!!」

全力で拒否すると、彼が可笑しそうに笑って。彼に合わせて自分からも少しだけ顔を寄せれば彼の唇と私の唇が合わさった。すぐに離してもらえるかと思えば彼の手が腰に周って驚いたところで彼が離してくれた

「人で遊ぶのやめてもらっていいですか!」

「ホー?」

あなたがいいますか?と言うような顔で見られてしまえば口を閉じた。それから指輪の交換のために一度手袋を外すように言われる
指輪持ってないよ?と彼を見たら、彼が口元を緩める。あぁ、もうかっこいい

神父さんがリングピローに置いてある二つの指輪を出してきた、いつの間に…
まずは私に彼が指輪を入れてくれて、それから私が彼の指に震える手で指輪をはめた。
化粧してるのに思い切り鼻がツンとして、涙が出そうになった。それを彼が気づいて抱きしめてくれて、余計にそんなの涙が出るじゃん。今度は二人で来た道を戻って外に出た

「びっくりしたんですけど…」

「ん?部下にはちょっとした結婚式やるから連れて来てって頼んだんだけど、聞いてないか?」

「普通に丁重に連行されましたけど」

「丁重に?」

「丁重に」

二人で笑っていたら、中から風見さんとれーさんの部下が出てきたんだけど、風見さんは置いておいて、部下の人が大号泣していた

「おめ、おめでどうございますっ…ふる、降谷さん、お幸せにー!!!!」

「鼻かめよ、汚いな!」

部下の人たちのやり取りが面白くて笑っていた。
結婚式をした日に籍をいれまして、降谷なまえになりました。
指輪は彼は普段事務の時はつけているけど、現場に出ている時は彼は指輪を入れるためのお守りのような小さな袋に入れて、胸ポケットにしまっているらしいが、部下の人が言うには本庁に入った瞬間に指輪をつけてその指輪にキスをするのが日課だと言う
私は婚約指輪の上に結婚指輪をずっとつけていて、左手の薬指がキラキラ光ってる毎日
最初こそ指輪から出ているダイヤが何かにぶつかりそうで怖かったけど、そのうち慣れたし簡単に取れるものじゃないとわかった。
彼が帰ってこない日は、彼と同じようにその指輪にキスをする。そのたびに唇はひやっとするけど、それでも幸せ


「なまえ、ただいま!」

「お帰りなさい」









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