とりあえず私は熱が引かないので今日は学校はお休み
安室さんも休むと言ったのだが、一応午前だけは出勤する事になり、それに伴って私の怪我の責任を取るという名目でメイトくんも午後には帰ってくるらしい。科学の授業は今日は2時間目にあるから、その時にくっつけてみるという。彼が失敗したら安室さんが職員室でやるらしいから新一くんからもらったのはそれぞれ一つずつの発信機

「新一くん、学校は?」

「今日は休みました」

「え…」

「大丈夫ですよ。気にしなくても」

「あぁ、俺たちがついているから安室くんも気にしないでゆっくりと仕事してきてくれ」

「赤井さん、安室さんで遊ばないでください」

安室さんがメイトくんに連れていかれながらまだ何かを言っていた。
ちなみに一応メイトくんに盗聴器をつけているので、赤井さんと私と新一くんはワイヤレスイヤホンを耳につけて会話は聞いている感じだ。
安室さんはちゃんと片付けもしていってくれたし、お昼までにはちゃんと帰ってくると言っていた。そういえば昨日開いたけどつけていなかったパソコンをつけて、暗証番号を入力して加賀くんから送られてきていたリストの中身を確認した。それを新一くんと赤井さんに見せていれば、二人がああじゃない、こうじゃないとしゃべり始める

結局の所、私はその宗教に入らなくちゃいけない感じになった
ただ何かしらに抵抗して殺されそうになった場合は、赤井さんがちゃんと手助けをしてくれるらしい

「それ、誰かが助けたって事になってばれちゃうよね?」

「なに、その時はその時…逃げたやつを追えばいい話しだ」

「じゃあまあ。なまえの事は赤井に任せたくないですけど任せます」

トップのほうにいる人や、入っているメンバーなどはだいたいわかったが、どういった内容で脅されているか、とかがわからない。もしも宗教のメンバーが家族構成などを知られていて、表だって行動していない人物たちがいたら、その家族とかが危なくなる可能性が出てくる。だから結局それを探るために私が入る事になった
その日の夕方には熱は治まっていたので背中の痛みのみ。ただまだ外傷も残っているため、入れるかどうかは置いておいて、興味があるような素振りは見せる事にした

って、思ったんだけどメイトくんが睨んでいた通りに、友人経由であっさりと入れた。ただまだ体に傷がついているという事で洗清はやらないらしい。洗清はセンショウと言って、まあ洗礼みたいなものなのだろうと思ったのだけど、内容を聞いたら処女をあげるっていうお話だった
うん、残念だけど処女じゃないね。処女じゃないけど、そういうふうに思われてるんならそうしておくしか無い。というかそれが条件だったのか…
だから彼氏いた事あるのか、とか色々聞かれていたわけだ…。すごく納得がいった

この宗教団体には望んで入った人と、無理やり入らされた人の差が半端無く、無理やり入らされた人は、借金をしているとか親に売られたとか大人から子供までいるという
ちなみに友人は前者で、洗清を済ませたのか聞いたら、全力で肯定されて「気持ちよかった」とか「違う自分になれたみたい」とか言っていた。
それから彼女くらい、宗教にはまり込んで行くと、彼氏が出来るのも許可されるらしい
「今保健室の先生がかっこいいなって思ってて」なんていわれた、あの人は渡せない。ダメ、絶対
食べちゃいけないものとかは無いらしいんだけど、とにかく体を綺麗に、怪我をしない事とかが第一条件で、言うことを聞かないと見せしめに体を痛めつけたりするらしい。
白い体にその痛めつけた傷を見るのが好きな人もいるそうな…

怖いよ!!!

とりあえず、だいたいの事が探り終わり、期末テストも勿論とっくに終わっていて
あとは夏休みを待つのみ…って学生の時は思ってたんだろうけどあと1週間の時間
その1週間の時間の時に、私の体は毎日彼女にチェックされるんだけど、傷が治ってしまったんですね
だからその次の日に彼女に洗清だよって言われた時は、貧血で倒れたくなった
そして閃いた。その次の日、というか前日から安室さんにもわかられないように水分を取るのをやめていた

学校が終わって連れて行かれた協会のような所で目隠しをされる。
あともう少しで宗教団体の中身が全部わかると言うから、一日だけでも伸ばすつもりでいた
目隠しをされているが身ぐるみをはがされそうになったので抵抗する
彼女に大丈夫だよ、とか言われたけどだいじょばない。これが大丈夫とか正気じゃない、あぁ、正気じゃないのか
後ろで手を縛られているが、足は自由、私は触られた瞬間に体をあっち、こっちと動かした。気持ち悪くてもなんでも、限界がくるまでわざと動き続けて
そのうち倒れた。結論から言おう、何もされてない、服も脱がされていなければ、どこも触られていない
ただ具合が悪いという事で次の日にされただけで、気づいた時には友人が「大丈夫?具合悪かったなら言ってくれればよかったのに」なんて笑いかけてきた。
友人の紹介だという事でもしかして何か特別な待遇にでもなっているのだろうか、そう思っていたら彼女にビンタされた。物凄く油断していたせいで頬を噛んでしまって口の中が血の味になった

「もう、恥かかせないでよ…。優しいから許してもらえたけど、やめてよね…明日は絶対宜しくね。もし明日も何かあるようだったら、無理やりにしてもらうから…なまえちゃんだからせっかく優しくしてって言ってるんだから」

そういい残して私の手を縛っていたロープを解いて帰っていった
私はその場にペッと血を吐き出し、滴ってくる血を腕で拭った。外へ出て少し歩いていると赤井さんが隣に並んでいた

「大丈夫か?」

「大丈夫です。処女かっこわらいを捧げるより全然」

「ふっ…そうか、だがその血は止めたほうがいいな、安室くんが怒るだろう」

赤井さんと飲み物を買って口の中を流した。口の中だから血はすぐに止まったので家に帰る。ちなみにメイトくんはあれ以来荷物を持ってうちに居候中
赤井さんもほとんどこっちに付きっ切りで、新一くんも学校帰りにはこっちに来てくれている感じ
その日の夜の事、友人から助けてくれという連絡が入った。

「助けて…なまえちゃん、この宗教おかしいの…私いつもはこの時間にこないんだけど、今日たまたま起きてたから協会に行ったら…お、男の人がバッドとかで殴られてて…その傍らに女の人もっ…うえっ…」

その子に隠れるように伝えてからその協会に行った。友人ナイスだ、現行犯逮捕だな、って事でこの話しはお終いに
友人は殺す殺される、という所までは知らなかったらしい、自殺というのはよく聞いていたが、そこまでの話しではないと思っていたらしいが、その後の事はよく知らない
ただメイトくんとは友人でいたかったけど、本当の私を知っているわけでは無いからどうにもならないだろう。


それで、まあ…危ない宗教団体のお話しは終わったんだけど
私今、公安に報告した帰りに安室さんにおうちに拉致られて…制服もまだ脱いでないのに安室さんにベッドに押し倒されていたりします…







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