風見です。
黒の組織との対決の時、どうやらみょうじなまえが降谷さんの事を助けてくれたらしくその時の優秀な判断と対応等を買われてまだ公安の協力者になってくれるように申請したらしい。それも公安側が、だ
それを彼女は何度かもう協力するつもりは無い、と断っているのがまだ困ったもので。しかも二か月以上の仕事がたまっている降谷さんも降谷さんで困っている
まだ三日目だがもう徹夜続きで大分テンションがおかしい。名前を呼ばれるたびにいつ彼女を連れて来いと言われるのかわかったもんじゃない
現在、彼女はもう仕事をしていない。組織的にあの会社は潰れてしまって今では別の会社が使っている、だから彼女を探すには街中をウロウロするしか無いだろう、まだやってないが、なんとなくジッとしているイメージが無いため探すのは苦労しそうだ
ただ彼はまだ足の怪我が治ったばかりの病み上がりなので、何か命令されたら自分はすぐにやってしまいそうだ
「風見」
「はい…」
「なまえは公安に来てないのか?」
「そりゃ…来ませんよね」
「電話が繋がらない」
「そう…ですか…何か思い当たる節でも?」
「無い!!いや…無い!!結婚してくれとは言ったけどあの人寝てましたし、あとは自殺しようとした所をびんたされたくらいですよ!」
彼のその話しは聞いている。その自殺をしようとした件については降谷さん…と泣きたくなるが、今の彼には涙なんてものはまったくもって出ない。むしろため息が出る
「起きてたんじゃないですか?結婚したくないとか」
「俺とずっと一緒にいたいって言ってた日々は嘘だったのか!?」
「みょうじさん言わなさそうですね。とりあえず寝てください」
「風見」
「はい」
「連れてこい」
「降谷さんがしっかり寝たら探してあげますよ」
そのあと、降谷さんを仮眠室に引きずって行ったら、ものの数秒で寝息が聞こえた。
降谷さんはタイミングが悪いもので、彼女と入れ違いになる事なんてよくある、今回もそうで扉を開けたら彼女が歩いていた
「みょうじさん、たった今降谷さん寝かせましたよ」
「そうなんですか。怪我治ったばかりなのに…無理して。あ、今日パス返しにきただけなんで、すぐ帰ります」
「あぁ、そうなんですね…そうそう、降谷さんが電話つながらないって言ってましたよ」
「え?でん…あ」
そう言って彼女はサイバー班のほうへ歩いていったので仕方なくついて行った。一応もう部外者に値するので、うろうろされるのは宜しくない。加賀という男と話すとスマホを確認して戻ってきた
「うん、これで良し」
「繋がるようになりましたか?」
「はい。そういえば忘れてまして…」
黒の組織の件でスマホを何かしていたのかもしれない。彼女がそのまま帰ろうとしたので引き止めた。彼の事が心配じゃないのか?会いたくないのか?彼はあんなにみょうじさんを求めていたのに、あまりにも可哀想じゃないか
「降谷さんの顔、見て行ったらどうですか?何か都合が悪ければ別に無理にとは言いませんが」
そうは言っても、とりあえず仮眠室には降谷さんしかいなかったので彼女を押し込んだ。抗議しようとする彼女に降谷さんが起きるから静かにしろというと、黙った。扉を閉めてから公安課へ向かう。入ってきたんだから大丈夫だろう、と彼女のパスを持って戻った
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