蘭ちゃんと和葉ちゃんより先にお風呂から出て、すぐそこのソファーがあるところでコーヒー牛乳を飲んでいたら安室さんが出てきた
安室さんを睨むとすぐに視線を逸らし、そこで安室さんが苦笑いを浮かべて隣に座ってきた

「あの、すみません。聞くつもりは無かったんですが…」

「…嘘だ、絶対聞き耳たててた…」

そう言うと安室さんがバレバレですか…と呟いていた。ほらね、やっぱり。
牛乳瓶を片付ける場所にちゃんと片付けると、安室さんのほうを振り返った、消えて無くなりたい、それかもしくは安室さんの頭を叩いて記憶を消したいくらいのノリ
それでも安室さんがクスクスと笑うから、そんな殺人じみた事は出来ない。隣の位置に戻ると、安室さんが少しだけ顔を寄せて来た。避けようとしたが、結局彼が肩を掴んでいるために避ける事が出来ない。さすがにこんな誰かが行き来している所で舐めて来ないと思って力を抜いた

「なまえさん、なんかいつもとまた違った良い匂いがしますね?」

「え?あぁ…ボディークリームかな?」

「いつもは塗ってないんですか?」

「塗ってますよ?足とか腕とかには…」

「そうなんですか。じゃあ今日はなんで首まで?」

「……安室さんがいつも舐めるからじゃないですか…」

小さな声で呟く。初めて彼とした時は赤井さんとバーに潜入だったので、目立たないようにと塗らなかった、匂いって結構記憶に残るらしいから。その初めての時に彼が何度か首にキスをしていたので、なんとなくそれから塗るのをやめていた。期待していたわけじゃなくて、本当になんとなく…それなのに今日わざわざ指摘して来たって事はさっきの話しを聞いてての事だろう
安室さんは眉を下げて笑うと私の髪を撫でてきた

「可愛いですねぇ。大好きです」

「もー!!誤魔化されませんからね!!」

私が安室さんの手を受け入れたが、結局その手を掴んで髪から下ろすようにすればその手にキスをして離し、べっと彼に舌を出してやった。

「ラブラブやぁ…」

「でしょう!?」

「みんな…いつからそこに…」

「ポアロのにーちゃんが姉ちゃんの首の匂い嗅いだ時からや」

「安室さん知っててやりましたね!?安室さんと話したくなくなってきました…」

「それはすみません。悲しいこと言わないでください」

腹立つ!それから私は人目に気をつけようと思いながら、みんなとご飯を食べる所に移動した。旅館の中の一室を借りてーとかではなくて、旅館の中の料亭のような所の個室を借りての事だった。私と安室さんがお酒、他のみんながオレンジジュースと烏龍茶で新一お帰りーと言って乾杯する
とかなんとかやってたのに、またコナンくんに戻っちゃったら面白いのになぁって思っていた。あと本当言うと何かみんなと絡んでいる姿が新一くんだと可愛さが無くなる
なんていうか、安室さんと一緒にいる時とかの可愛さが…無い
みんなが談笑しながらご飯を食べ進める中、安室さんをチラッと見るとちゃんと食べていた、というかもし食べなかったらなんでついてきた!って言いたくなるくらいなので、無理はしてても良かったのかなって思う

「なまえさんはお酒何が好きなんですか?」

「やっぱカクテルとか?甘くて飲みやすいって聞くやん?」

「うんカクテル好きだよ…えっと」

名前を忘れたから安室さんのほうを見ると、安室さんがそれに気づいて「あぁ、スクリュードライバーですか?」と言ってきてくれた。それに私が頷くとその中身を説明して美味しいんだと二人に言う。すると新一くんがニヤニヤしながら口を開いた

「あれ?なまえさんの好きなお酒ってバーボンじゃなかったですか?」

「うるさいよコナンくん、あ、間違えた新一くん。ちょっと、黙って?ね?」

私が満面の笑みで答えると、新一が「はい」なんて言って黙った。それを見て服部くんがゲラゲラと大きな声をあげて笑っていた。和葉ちゃんに仲良しやな?と言われて、その仲良しのせいを沖矢さんのおかげだと適当な事を言っておいた
お酒はビール以外にも色々あるようなので美味しそうなやつを安室さんに選んでもらって飲んでいた。甘くて美味しいから物凄い勢いで飲んでいた

「姉ちゃんめっちゃ飲むなぁ…酔わへんの?」

「ん?酔うよ?」

「まだ大丈夫なんですか?」

「うん、全然」

蘭ちゃんにも問いかけられたので頷く、すると蘭ちゃんが安室さんに私が酔った時はどうなるのか聞いていた。私はその間に暖かい料理を食べていた
安室さんが私が酔った時なんか一回くらいしか見た事ないだろうし、覚えているのか謎

「なまえさんは酔うとテンションが高くなりますよね」

茶碗蒸しを食べながら頷くと、安室さんが茶碗蒸しを私に差し出してきたので受け取る。ついでにまた店員さんが持ってきてくれたお酒を飲んだ

「なまえさんって普段からテンション高いように見えますけど…とくに蘭といる時」

「…あ、和葉ちゃん、蘭ちゃん…酔ったらごめんね、セクハラに注意してね!」

自分のぶんの茶碗蒸しを食べ終わり、安室さんのぶんの茶碗蒸しを食べていたら和葉ちゃんが身を乗り出してきた

「え、なんで!?なんなんめっちゃ羨ましいわ!なまえさん茶碗蒸し好きなん!?めっちゃさりげなくなまえさんに渡してるし、凄い、ほんまに凄い!あ、セクハラはあかんで」

セクハラについては何も触れてこないなぁって思ったのに、最後の最後にダメだといわれた。新一くんが今までどんな事件をしてきたか、とかコナンくんと一緒に解決してきた事件とかを話していると安室さんも知らない事が多いため、興味津々に聞いていた
私は眠くなってきたし、楽しくなってきたため、結構酔いが回ってるんだと思う
隣にいる蘭ちゃんに抱きついていた。蘭ちゃんは「大丈夫ですか?」なんて言っているが、まったくもって大丈夫だ、理性はある

「蘭ちゃん良い匂い〜…」

蘭ちゃんの肩に額をぐりぐりしていると、蘭ちゃんが顔を赤く染めて「そんな事ないですよ!」と言っていた。というか食べにくいだろうに、と思って体を離してあげた
私も私でちゃんとご飯を食べ進めていた。新一くんと服部くんが楽しそうにしゃべっている

「あ、そうだ。そういえばここの中庭、夜すっごい綺麗なんだって、池とかライトアップされて、だからさー服部くんと和葉ちゃんで行ってきて!」

「…あぁ、それ僕も聞きましたよ。先ほど観光客の方がお話しをしているのを聞きました。行ってきてみたらいいんじゃないですか?なまえさん、僕のも食べていいですよ」

「あーん」

「…はいはい」

安室さんにプリンを貰っている間、和葉ちゃんが「でも平次そういうの行ってくれへんし、蘭ちゃん行こうや」と呟いていた。でも服部くんは結局和葉ちゃんを連れて行くらしく、食べた頃を見計らって出て行った

「ご馳走様でした、告白するかな〜?ふふふ」

安室さんからデザートを貰えば、あげていたお尻を床につけて座りなおした。
蘭ちゃんたちも食べ終わったようでジュースを飲んだりしている

「ドキドキしちゃうね」

「私も蘭ちゃんにドキドキしてるよ!蘭ちゃんが可愛くて!浴衣似合ってるし!」

私のこの状態見てもいやな顔一つしないで笑っている蘭ちゃんは天使すぎるくらい天使
でもそのうち、本当に襲いかねないとかいって新一くんが蘭ちゃんを自分のほうへと移動させて、その代わりに私の隣に安室さんが来たので安室さんに寄りかかる形になった

「なまえさん、眠いですか?」

「だいじょーぶ!眠りには強い!」

蘭ちゃんを見て笑うと、蘭ちゃんが顔を赤くさせた後に新一くんに寄りかかった
んんん、ナイス!!それから服部くんと和葉ちゃんが帰ってくる、二人とも楽しそうは楽しそうだったけど、どうやらまだ告白は出来ていないようだった…







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