「さっきの推理は俺の勝ちやろ!」
「バーロー安室さんの一言があったからだろうが…」
「そんな事無いですよ、お二人ともすごいんですね」
夕飯の前に露天風呂に入るという話しになったので、自分も付き合って行く事にした。大阪に来てからあまり彼女と二人きりになる事も無ければ話す事もそこまで無いが、彼女が楽しそうに蘭さんたちとしゃべっているのは微笑ましく思うし、自分の前ではあまり見せない姿も見られるため楽しくはあった。
それになまえさんが彼女たちに突っ込まれたときの反応は心をくすぐる反応で、照れて何もいえない彼女には口角が上がりっぱなしだった
露天風呂に入った時にはすぐに新一くんや服部くんが推理の話しをし始めた。
それは素直に楽しいと思うので一緒になってその話しをしていた、その時に女湯から彼女たちの声が聞こえていて、こっちの二人が急に黙った
「わー露店風呂すごい」
「めっちゃええやん!」
「なぁなぁ、蘭ちゃんってどこまで進んだん?」
「えぇ!?ちょっと和葉ちゃん…どこまでって…新一帰ってきたばっかりだよ!」
「あははは」
彼女の楽しそうな声が響く中、こっちは服部くんに新一くんがつつかれている状態。
そのうちあっちから「あーなまえさんええなぁ…大人の色気たっぷりやん」という声が聞こえた。それには今度は視線がこっちに向かってきたので、苦笑いを浮かべる
どうしてこっちを見るのかな。しかもその後のなまえさんの返答が「無いよ。二人とも胸おっきいね?触っていい?」だったため余計に視線がこっちに来て、最後には「大変やな」と呟かれた。それから女子トークというのは止まらずにずっと話しを続けているためこっちの二人が聞き耳を立てていた
先に出ようかな、と思った所で、話しがなまえさんのほうに向いたらしい
「安室さんとなまえさんって…キスしたんですか!?」
「あぁあああ…」
「なまえさんのそれ、キスマークですか!?」
「ううん、大きい犬に噛まれたの」
しれっと答える彼女にクククッと肩を揺らして笑っていたら、新一くんと服部くんが顔を若干赤らめてこっちを見てる状態になっていた。確かに、彼女の気持ちもわかる。若い子をからかうのは面白いんだろうな
「キスマークってどうやってつけるん?」
「さあ…やってみればいいんじゃないかな、服部くんに」
「はっ…!?な、なんで平次やねん!」
「…消去法。安室さんはダメだから」
「そ、そんな事言ったら新一だってダメだから!」
「そっ…どっちにもするわけないやろ!」
これは聞いてて嬉しい会話。なまえさんが安室さんはダメだと言った事が嬉しくて自然と顔が緩み、新一くんも同じような顔をしていた。服部くんは顔を赤くしながら不機嫌そうに「勝手な事言いよって…」と呟いていた。
「もー!この話しはええわ!そんでそんで!?安室さんと2人きりの時って何してんの!?」
「ご飯食べてる!安室さんのご飯美味しいよ!」
「じゃあ…普段何しゃべってんの?」
「今日のご飯何?とか…?」
「食べ物の事ばっかやん!なんかもっと恋人っぽい事とかせーへんの?キスとか…ぎゅうとか…」
「和葉ちゃんそうゆうイチャイチャが聞きたいんだね」
「私も聞きたいです!安室さんとなまえさんが仲良いの…嬉しいって思いますし…その、興味あります」
「ふぅ…私には無理だ!思い出しただけで恥ずかしいもん!」
「じゃあ、抱きしめられた時とか何思ってんの!?」
「安室さんめっちゃ良い匂い。めっちゃ筋肉質、あとくすぐったい、やめて」
「それは何されてるんですか!?」
「首に安室さんの鼻とかすりすり…あぁぁああ…」
そのへんで立ち上がって出る事にした。新一くんと服部くんの好機の目が向いていて今度はこっちが質問攻めになりそうだし、あまり掘り下げて聞かれていたら最中の話とかをこの二人に聞かれる事になりそうで、それだけは避けたい
「あれ、安室さんでるんですか」
新一くんが、多分忘れて声を出してしまった。その瞬間に女湯からなまえさんの叫び声が聞こえてきた