※序盤会話文が多いです
風見さんに呼び出された時、なんとなく来るのかなって思って新一くんたちに一応安室さんが来そうって話しをしたら、むしろ人数に入れていたらしく「呼んでなかったんですか?」って聞かれた。来なかったら来なかったでまあいいかな、くらいに思ってたし。
蘭ちゃんと新一くんと大阪に新幹線で移動した後、和葉ちゃんと服部…くん…が来るまで和葉ちゃんと服部くんの色恋沙汰をどうしようかって話しをしていた。
「だぁかぁらぁ…服部に告白させりゃいいんだろ?」
「そんな簡単なものじゃなくてさ、ほら、新一ってロンドンで蘭ちゃんに告白したじゃない?」
「なんでそんな事まで知って…いや、聞いても意味ねぇか…それでそれが?」
「だから、服部くんそれより良い所見つける!って意気込んでるんだってば!」
「ったく…服部のやろぉ…」
なんて話しをしている途中に蘭ちゃんが服部くんたちが来たのに気づいてそっちに手を振っていた。私はそれに気づいているけどこっちの話しを終わらせようと短い言葉でちゃんと協力するように伝える、蘭ちゃんとはいつでも作戦会議が出来るけど新一くんとの作戦会議はこの後難しいだろうからね
「ちょ、ちょっと蘭ちゃん!あの人何!?なまえさんって人やろ!?めっちゃ工藤くんとベタベタしてるやん!!あれええの!?」
「和葉ちゃんっ…あのね、なまえさんは…」
「お、ほんまや姉と弟みたいやけどな。工藤ー!お前さっそく浮気かー!」
「ちょっと平次!蘭ちゃんも行こ!あの人に絶対負けたらあかんで!」
「だ、だから和葉ちゃん、なまえさんはそうじゃなくって…」
聞こえてますよ和葉ちゃん、でもそんな所もめっちゃ可愛い。なでなでしたい、はすはすしたい、その髪の毛掴みたい!!私は新一くんとの話しを「頼んだよ!」で終わらせてそっちのほうを向いた
「なんや…なまえさんって工藤が言うには結構すごい人やって言うてたからもっとバリバリのキャリアウーマンみたいな人やと思ってたわ。顔見えへんけど」
「そういや、なまえさん風邪ですか?」
「化粧のノリが悪いから…マスクしたら9割くらい可愛くなるぜ」
「ほとんどじゃねぇかよ」
片目を瞑って親指をグッと立てて見せたら普通に突っ込みをいただきました。その後私と新一くんの間に和葉ちゃんが割って入ってきたと思ったら、蘭ちゃんが間に入ってきた
「初めまして!遠山和葉です!」
「初めまして、みょうじなまえです!和葉ちゃん本物見るとめっちゃ可愛い…よろしくよろしく!!」
勢い良く挨拶してくる和葉ちゃんに笑って手を握ると、その手をぶんぶん上下に振った。「は、はぁ…」と一瞬和葉ちゃんが怯んだような表情を見せたけどすぐに睨んで来る
「あのなぁ!工藤くんとどういう関係か知らんけど工藤くんと蘭ちゃんは付き合ってんねん!なまえさんが入ってええ仲とちゃいますから!」
「だから、和葉ちゃん…なまえさんは」
蘭ちゃんが一生懸命説明何かを説明しようとしているのに、和葉ちゃんは聞く耳持たない。新一くんの事で和葉ちゃんをからかうのもいいかもしれないが、どちらかと言えば服部くんを使ってからかいたくなってくる
新一くんと服部くんが仲良くしゃべっている中、こっちは和葉ちゃんに凄く押されていて苦笑いをしていた
「うっさいのぉ…何をやいやい言うてんねん和葉」
「だって、この人が工藤くんにちょっかいかけるから」
「はぁ?別になんぼでもかけたらええやろ」
「蘭ちゃん今日の服も可愛いね!コロンつけてるの?良い匂い。新一くんとお出かけするんだもん、気合入るよね…私とのお出かけにも気合入れて!」
「どっちかと言えばそっちのねーちゃんのほうにちょっかいかけてるやん。めっちゃベタベタ触ってんで」
「そ、そうやなくて!」
「なまえさん蘭の事すっげぇ大好きだもんなぁ…」
「ほら!なんでこんな顔になんねん!工藤くんデレッデレやん!」
「それは蘭さんが照れて顔を真っ赤にしているのを可愛いと思っているからじゃないですか?」
蘭ちゃんに化粧のノリが悪い顔を見せたら、全然大丈夫だと言われたのでマスクを取る。
耳に聞こえてきた声に勢い良く振り向いた。出た、本当に来ちゃった…でもなんでここってわかってるんだろうと思ったら新一くんと目が合う。へへっと笑う彼、お前か…
「え?この人…何かどっかで」
「おぉ、あの時ポアロにおったおっちゃんの弟子やん」
和葉ちゃんと服部くんが安室さんを見上げる。安室さんは笑みを浮かべると「お邪魔します」と言っていた。新一くんはちゃんと服部くんに言っていたらしく「もう一人来るってこのおっちゃんの弟子かー」って言っていた。それから駅でずっとわいわいとやっているよりも、移動しようという話しになってバスで移動する事になった
一番後ろの席に窓際から和葉ちゃん、蘭ちゃん、新一くん、服部くんと座っていて、その前の座席の窓際に私、廊下側に安室さんがいた。後ろから和葉ちゃんが話しかけてくる
「あの、彼氏ですか?」
「誰が?」
「えーっと…ポアロの店員の」
「安室透ですよ。」
「そう、安室さん」
周りのお客さんに迷惑がかからないように、和葉ちゃんが私と安室さんの間に顔を寄せて問いかけてきた。私は安室さんから距離を取るように窓のほうに寄りかかっていたが、和葉ちゃんに話しかけられたので、中央に膝を寄せるように、和葉ちゃんのほうをなるべく見るように座り方をずらした。これで安室さんとの距離も出来る。
安室さんをチラッと見ると安室さんが笑う、答え方に困ってるんだよこっちは!笑って欲しいわけじゃない!
「そうだよ、和葉ちゃん。なまえさんと安室さんは付き合ってて相思相愛なんだよ」
「へーそうなんや!!さっきは突っかかったりしてごめんなさい…」
「へー、そうなんだ。あ、いえいえ、その話しについてはあとで言うね!」
相思相愛とか初耳だなぁ…なんて思いながら自分でも驚いた声を出すと、蘭ちゃんがクスッと笑う
私がちらっと服部くんのほうを見ると、そのお話しだから、と付け足した。
すると和葉ちゃんがみるみるうちに顔を赤くさせ、「えぇ!?」なんて言うもんだから可愛いなぁと思って笑っていた。酔っちゃうので前を向いて座っていたら目的地についたらしくバスが停まる。座席から腰をあげると安室さんに手を差し出されたので掴まった
「足元気をつけてください」
「ありがとうございます」
ちゃんと通路に出てから手を放そうと思ったのに、彼が放してくれない。戸惑いながらバスから降りて荷物をバスの運転手さんからもらっても、やっぱり手を放してくれない
手とか繋いだ事無かったのに、戸惑っている私を見て蘭ちゃんと和葉ちゃんがきゃあきゃあ言っていた
「ええなぁ、ええなぁ!めっちゃええやん!めっちゃラブラブやぁ!工藤くんと平次もあんな大人にならなあかんよ!ドキドキするわぁ」
「ね!?相思相愛って言ったでしょ!?」
「ところで服部、どこ行くんだ?」
「あぁ、今色々なアトラクションが来てるイベントがあってな、そこに行きたいんやて。何や遊園地の中にちーっこい動物園と水族館があったりするやつ」
私はそこで和葉ちゃんと服部くんを二人きりにする作戦を思いついた。服部くんと和葉ちゃんがしゃべりだしたので新一くんと蘭ちゃんにどうにかこうにかはぐれるぞ作戦しよう、という提案をした。もし、無理そうだったら新一くんは蘭ちゃんと二人きりになりたい、私は安室さんと遊びたい、みたいな感じに言えばいいだろうという話しをして。
夜は新一くんお帰りパーティーみたいなのをやるって言ってるし、昼間くらいばらばらで遊んだっていいだろう
「なまえさん…人の恋路は楽しいですか?」
「めちゃくちゃ楽しいです」
「自分の恋…もっと言えば彼氏の事も考えてくださいね?」
「あ、はい」
苦笑しながら返事をするものの、頭の中はあの二人でいっぱい。それに気づかれている気がして視線を逸らした