短編 | ナノ
 素直じゃない裏表の二人

怖がらせる気なんてない。―…いや、いっその事怖がった表情でも見せてくれれば少しは自分の気が治まるのかもしれない、怖がった表情で俺を見て、泣いて謝ってくれれば…
そんな汚い事を考えていたって知ったとしても、きっと彼女は俺を甘やかす
好かれてるのだって、心配されてるのだってわかってる。でも俺のモノだって、どうやったら言える?

「わ、びっくりした…。来るなら来るって言ってくださいよ…じゃあ電話切りますね、おやすみなさい」

降谷としての仕事を終わらせた後の事だった、精神的にも疲れたし誰かに…彼女に触れたくて彼女の家を訪ねていたのだがソファーに寝転がってポッキーを食べていた彼女は誰かと電話中だったようだ。扉を少々勢いよく閉めると、もう寝るだけだったのか、すっかり寛いでいるようなハーフパンツに半そでで寝転がっていた彼女が起き上がってこっちを見た。彼女も仕事があるはずだが、今日は自分と同じ仕事ではなくて、彼女の前から仕事をしていた所での仕事だったらしく、のんびりとしていたらしい
ソファーに座りなおした彼女がいつまでも立っている俺を見て訝しそうな表情を浮かべて首を傾げた

「どうしたんですか?降谷さん…怪我、してないですよね?」

「誰と電話してた?」

「は?誰、って…」

もう口ごもった瞬間に誰かはわかった。赤井だな
俺が彼女を睨むと、なまえは怯える事はなく眉を寄せてスマホをテーブルの上に置いた「何か疲れたり、いらついてます?」なんて聞いてくる彼女は、本当言うなら八つ当たりさえ出来る相手。たまにイライラに任せて意地悪したって、冷たい言葉を吐いたって、最後には笑わせられてしまう相手で俺の最愛の…人。何にでもない、恋人でもなんでもないのだが、あたかも自分のもののように扱ってしまう
勝手に家に入ってきた事を怒りもせずに、「疲れた時はクエン酸〜」なんて鼻歌まじりで言いながら立ち上がって冷蔵庫に向かった
それと入れ違いに俺がソファーに足を組んで座る

「でも私酸っぱいもの苦手であんまり…あ、日向夏がありますよ」

「良いから、こっち来い」

「…なんですか?組み手ならお外でお願いします、それか降谷さんち…あ、でも責任とって直してくれるならいいですけど」

「はっ…どこを壊す気なんだ」

一瞬でも笑うだけで、彼女が柔らかい笑みを浮かべて首を傾げて来る――あぁ…苦手だ。この顔
まあ、もういいか。なんて思ったのにテーブルの上の彼女のスマホが音をたててなり始めた、こっちに歩み寄ってきた彼女がテーブルに置いてあるスマホを手に取ると、首を傾げた後に自分の前から窓際のほうへと移動していた

「はーい?…え?うーんっと、あれ、さっき赤井さん持って行きましたよね?」

自分が真後ろに来た事に彼女が気づいたようで言葉を飲み込んで振り向いてきた。窓に手をつけたら、振り向いてきた彼女の唇を奪うと「んんっ!?」と声を漏らされたので電話を切る。彼女のこんな声を赤井に聞かせるわけにはいかない
さて、ここからが問題、彼女に無理やりキスをしようとすると結構な確立で取っ組み合いになる。例えば襲われた時などには使えるかもしれないし、それこそ殴ってきたりなんかはしないのだが大人しくキスされていてくれないのが困ったものだ。窓についている俺の左腕を自分の左手で払い退けようとしたのだろう、左手が動いたのでその手を掴んだ

「っ…」

「わかってますよ」

せめて唇を噛んでこない事だけが救い。自由が利かなくなった左手を捻ろうとしているが、それをされるとわかっていればどうにでもなる。足をかけて投げ飛ばそうとしているのもわかっているし、右手で俺の顔を押しのけようとするのもわかってる。だから今日はネクタイを外して彼女の両腕を縛った

「私がいったい何をしたー!!」

「赤井と電話した」

「そんっ…えぇ…」

戸惑ってる彼女を持ち上げて寝室の少し開いている扉を足で開けて足で閉める「壊れる壊れる!!」なんて言っているが、たまにむしゃくしゃするとその扉を蹴っている事なんて俺は知っている。彼女の寝室のベッドに彼女を放り投げた、本当に放り投げるようにしたせいで彼女には睨まれる事になる「ちょっと、何なんですかっ!」なんて今のこの状況をわかっているのかわかってないのか、そんなふうに言ってくるが、俺がベッドにあがって彼女に近寄っていくと眉を寄せてきた

「その反応は間違ってると思うけど」

「なんで、何の嫌がらせされるのかなって思って」

「襲われるとは考えないのか?」

「誰が、誰に」

「なまえが、俺に」

眉間の皺がよりいっそう深くなったと思ったら、その皺が伸びて「はっ」と笑った。余裕そうな表情は俺が彼女に手を出そうとは思ってないだろうという信頼か何かからなのか、仰向けだった彼女が横向きになると、その顔の横に手をつけて彼女を跨ぐようにすると、笑っていた彼女がこっちに視線を向けてきた

「逆ハニトラして美人で可愛い人たちが回りにいる降谷さんが、私を襲うなんて意味のわからない事はしな……あれ、逆ハニトラなう?」

「……お前にしてどうする」

「あ、ですよね」

意味のわからない、って…この人俺がどうしていつもなまえにキスしてるのかまったくわかっていないのか。少しでも俺が自分を好きなのかもしれないっていう可能性を考えたりしないのか…誰にでも手を出す男って思われてそうな気がしてため息が出た

「あ、ミントの匂い。…んぅ!」

顔をこっちに向けた彼女が無邪気に笑う。ため息が彼女にかかったのか、わざわざそんな事を言ってくる、縛った手首を上にあげると彼女の唇を塞いだ。何の予告も雰囲気も無しにしたせいで驚いたような声が彼女からあがる
角度を変えて音を立てて、何度か触れるだけのキスをするものの、口をきつく閉じられていてその先にいけない。触れるだけのキスはやった後には怒るし、不意打ち以外は許してくれないが本当にこっちが弱ってる時だけは許してくる。ただ滅多に彼女の口内には侵入できる事はなく、ほんの何回か不意をついてしたくらいで
彼女の唇を舌で舐めると、なまえがびくっと体を強張らせた

「なまえ、口固く閉じすぎ…させてください」

「あ……んぅっ…!」

一度離した彼女が唇を薄く開いたのでもう一度キスをした。唇を撫でて甘く噛んで、口内に舌を侵入させると夢中で彼女の舌に絡ませた。熱くてぬるぬるした彼女の舌に絡ませているだけで仕事の「疲れた」という感情が全部「なまえ」に変わる。舌の付け根を撫でて舌の裏をゆっくりとなぞる、何度かそれを繰り返して唇を解放すれば彼女と俺の間に銀色の糸が伝う。頬がすっかり上気した彼女が肩で息をしていた
なまえを襲うなんて意味のわからないこと、なんて言っていたけど、いつもとは違う熱のこもったような声をあげたり頬を赤く染める彼女を見てどうしたって欲情くらいする
手を上にあげたままだったためか、もう終わったというように手を捻ってどかすように促してくる。本当にこの先なんて事は考えていないのか

彼女の額、瞼、頬にキスをしていくと彼女が「ん」とか「う」なんて声をあげながらそれを受け入れていく。そんな事をしたことなかったため、唇を離した瞬間に怪訝そうな目で見られた。キスをして、その先を期待するような瞳は別な人で何度も見た事がある、でも彼女のキスをされて怪訝そうな目で見てくるっていうのが面白くて仕方ない
何をそんなに不思議がっているのか、何でそんなにキスをされる事が意味のわからない事だと納得していないのかまったくわからない。好きだなんて言った事は無いけど、いい加減わかれ

首に顔を埋めると、先ほどまで気づかなかったが彼女の服から本当に少しだが煙草のような匂いがした。なまえの髪とかの匂いに打ち消されてここまで近づかなかったら気づかなかったが

「この格好で赤井に会った?」

ピクッと彼女の手が一瞬動いた、返事をしてこなくてもすぐわかる。肯定の意味だ

「気に入らない…」

「ちょっと物を取りに来ただけで、その時煙草吸ってたからちょっとだけタバコの臭いがついただけだと思いますよ」

「足を出して、下着もつけてない状態で、何考えてるんですか?」

わしっと彼女の胸を掴むと、彼女が体を揺らした。ホー?一応感じる事には感じるんだな。
そのまま彼女の胸を服の上から胸を柔らかく揉み、彼女の反応を見ると唇を閉じてぎゅっと目を瞑っていた。試しにその手を離すとこっちを睨む

「わかりました、私がいくら赤井さん相手だからって何も考えずに出てしまってすみませんでした。今後気をつけますーっ!!だから嫌がらせ、ダメ、絶対」

反省してない、べっと舌を出していってくるし、嫌がらせじゃない。自分の時に一度パジャマ状態でインターホンに出てきた時には待たされて上着のチャックを閉めながら出てきたのに、赤井にはそれ。赤井には無防備な姿を晒しているくせに、俺には警戒心丸出しで

「それで?赤井にもキスを許してるんですか?」

「…されないよ」

真顔で返してくるのがまた腹立つ


腕をあげさせている彼女の、掴んでいる腕に力を込めたら一瞬彼女の顔が歪んだ。いくら彼女といえど、そこまで痛くしているつもりは無い、今度は何を考えているんだ
いくら推理力があると言え、彼女の心は読みづらい時が多々ある。こう思ってるんだろうな、と考えた矢先に違う事を言われたり、こんな行動するかと思えばまったく違う行動を取ったりと予測不能。

「なんで赤井の煙草の臭いをさせてるんです?触らせたりした?」

「してないしてない、ただ部屋の前で話をして渡すものを渡しただけですよ」

「ホー?」

「あ、信じてない。ンッ…、ちょ、本当ですってば!」

もう一度彼女の胸を掴むと、一瞬だが声をあげた。回避しようと横に転がるために体を捻ろうとするまったく大人しくしていてくれない彼女にため息が出る

「もう、なんでさっきっからため息ばっかり出すんですか!疲れたならベッド貸しますから寝たらいいですよ!」

そんな彼女の話しは無視して、ベッドの隣のデスクに綺麗に畳んであった彼女がスーツの時によくつけているリボンを体を乗り出して取った。「つけたいんですか?」この人なんで煽るようなことばかり言ってくるんだろうな、不機嫌にさせたいのか
畳んであったそのリボンを片手で広げて彼女の手首をベッドの上の部分にくくりつけた。これで両手が使える

「良い眺めですね」

「や、冷静に眺めるのやめてください…。ぬぅ〜〜…抜けない!」

縛り上げられて身動きが上手く取れなくなった彼女を見て、楽しくないわけが無い。それに服越しにピンと起つ彼女の胸がわかるから、そこを人差し指でツンとつついたら彼女が息を一瞬止めた

「っ…」

「おや?反応しましたね?」

「び、っくりしただけですから…う、ちょ、っと降谷さん!」

「はい?」

そのまま撫でるように、輪郭を辿るように指先を動かすと彼女が俺の名前を呼んで抗議したそうな表情を浮かべてきた。だから、なんでそうなる…嫌がらせでもなんでもない、たしかに嫉妬心が混ざってると言われればかなり入ってはいるのだが、それでも嫌がらせという部類ではなくて単に彼女をもっと知りたくて…?
なんで疑問形だ

「触んないで!赤井さんとは本当に話してただけなんだってば!」

さわ、んないで…って。おい
自分に触れるな、なのかそこに触るな、なのかどっちですかね。前者ならさすがに怒るぞ
服の上から彼女の胸を甘く噛むようにすると声にならない声をあげた

「ちょ、っと…降谷さん!バカですか!?」

「俺にバカっていうやつなんてお前くらいだよ」

「そりゃそッ…ん……!っ……」

言葉を発せられる前に彼女の胸の突起を服の上から舌で転がし、もう片方の胸は強弱をつけて揉んで、口をぎゅっと噤んで手を解こうと手首を捻ったり足も必死で動かそうとしていた。
揉んでいた手を彼女のシャツの中に入れると、彼女が再び体を揺らす。腹部を撫でて胸のほうまで伝わせていけば顔を逸らしていた彼女がこっちを見た

「ね、降谷さんッ…!ごめんなさいってば…!ふ…ん、も…この格好で…出たり…し、しないから…!」

「だから?」

「ひぁ…っ!やだ!」

震える声で言う彼女の話しを耳にちゃんと入れてはいたが、舐める事をやめはせずに腹部を上へと這わせていた指も胸まで到達すれば直接揉んだ。そろそろ何をされようとしているのかわかってくれたのか、声をあげたがすぐに嫌だと言われる。自分の唾液でしめった服を捲りあげて直接胸に直接舌で触れた

「っ……」

もうそれ以上下にいけるはずがないのに、逃げようと彼女がベッドへさらなる体重をかけるかのようの足に力を込めて、グッと下に沈もうとしていた。俺の力加減によって彼女の胸の形が変わる
揉みながらも人差し指で突起を愛撫して、舌で転がすのをやめない。彼女をチラッと見ると声を出さないようにと唇を閉じながらも、顔は上気していて赤く、目をぎゅっと閉じていた。時折鼻にかかった声を漏らすが、本当に微かで

これが…彼女が我慢出来なくなったらどうなるんだろう。いつも喧嘩口調で話してしたり、生意気な口調をたたき出したり、子供っぽく笑ったりする彼女はどんな声を出して、どんな顔をするんだろう
いつもと違う顔で、声で、俺を見て…俺の名前を呼べよ

ちゅ、っと音を立てて胸に吸い付きながら彼女の太ももの内側を撫でた。すると足をバタバタとさせてこっちを見てくる
潤んだ瞳で睨まれたって、怖くともなんともない。足の付け根に触れて、口に含んでいた胸を解放すれば今度は彼女の柔らかな胸に何個か赤い華を咲かせていった
彼女は一生懸命に足を閉じようとしているが、俺の体があるから閉じられないらしく「うぅ」と言葉を漏らしていた

「こうやってされるの、考えもしなかったのか?」

「しないですよ…だってしてくれる人いっぱいいるじゃないですか」

俺は、あなたがいいんです。素直じゃない自分を恨む、だいたいなまえの言い方も悪い。したいから何かをしているわけでも無ければ、薬を仕込まれようが何されようが、想うのはなまえの事だというのに全然わかっていない。彼女と目が合うと、ただ目を細めて口角を吊り上げた
ズボンを脱がすために手をかけると彼女が足を動かしたりするが、結局は簡単に脱がすことが出来て彼女が視線だけで文句を言ってくる。
下着の上から秘部を撫でると、彼女が腰を引いた

「やだ、やだやだ!降谷さん!」

「どこが嫌だって?」

そのまま彼女の秘豆をかるく引っ掻くようにして何度も指を往復させると、余計に下着にシミを作り始める

「おねが、降谷さん…」

「濡れてますよ。下着の上からわかるくらいに」

勢いよく首を振る彼女がこくん、と喉を鳴らした。それからこっちを見てきて、「赤井さん、は」と声を出したので下着をずらして彼女の中に指を一本挿入させた

「は、ぁん!ひ、…や、やだ…やだ!」

泣きこそしないのだが、口から出る言葉は俺を拒否するような言葉ばかり。赤井がなんだよ
結局赤井か?彼女から好かれてると思っていたが、組織の時によく組んでた事とか同情とかで、キスを受け入れてただけか?
赤井に負けてる気はしない、赤井は嫌いだが思ってる事に何も変わりはない。ただ、何かを任せる事は出来る人物で、一応認めてはいる
何かと張り合いもしているし、銃の腕で叶わないことは認めよう。ただ彼女は渡さない

「やだやだって言って、濡れてるんですってば。体は正直だな?」

中は熱く、キツい。初めてなのか、それとも久しぶりなだけなのか…はたまたそういう体質なのかは知らないが、そんな事はどうでもいい。…よくないか

「おねが、やめ…ん」

懇願するように言われる言葉はやめてくれと言う俺を否定する言葉ばかりで、そのまま指を動かすと彼女の足に力が籠る。出るのは喘ぎ声とかよりも嫌だとやめてばかり
聞きたいのはそんな言葉じゃない。ちゅくちゅくと音を立てて中を刺激すると、彼女が首を振った

「やめないけど?ねぇなまえ?声が聞きたい。そんな口を固く閉じて声を我慢するのやめろ」

「やだ!」

「ちぃ…反抗的な…」

彼女の下着を脱がせば、下着と彼女の秘部からは糸が伝っていて。暴れる彼女から下着を脱がせれば足をぐっと閉じられた

「邪魔」

彼女の膝に手を当てて開かせると「やだ!!本当に嫌!!やめて!ごめんなさい!」とりあえず謝ってる感じがわかりやすいが、普段痛みにも強くくだらない事では泣いたりするし、演技でも上手いこと人を騙すくらいには泣ける人なのは知っている。でも彼女が今溜めてる涙は自分に向けての涙で、それでもやめられないし、むしろ煽られてる

「逆効果だよ。なまえ」

開かせた彼女の秘部に顔を近づけると本気で半ば叫び声のように嫌がる声が聞こえたが、それも秘豆に舌を這わせたらグッ、と口を閉じたようで。急に声がピタリとやんだ、と思ったら震える声で懇願してきたので吸い付くと声を漏らした

「おねが…お願いします…やめてよ…ん…あぁ!っ……」

つくづく良い趣味してると思うが、こんな普段聞かないような甘い声を漏らす彼女をみすみす逃すわけもなく、舌の腹で撫でたり舌先で転がしたりするとぷっくりと膨らんできた


時折声を漏らしている彼女を視線だけで見上げて、その表情を確かめた。 ホー、そんな顔するんだな
なんて冷静に思っているのに、もっと、と求める気持ちは止まらずに彼女の秘豆に吸い付いたりと、愛撫しながら中に指を再び挿入した。 ぬるぬると次から次へと溢れてくる彼女の愛液を指に絡ませて中を刺激した

「ふ、ぁ…やぁ!んぅ…!」

今度こそ漏れ始めた彼女の声に、頬が緩む。ビクッと体を揺らして反応させた所に触れて彼女の声を聞く。自分の指で舌で反応する彼女が愛しくて仕方ない
しばらくそうやって続けていても、彼女は拒否するのをやめない。その声がやんだと思ったらビクンっと体が揺れて彼女の中がぎゅうぎゅうと収縮され、涙を頬を伝わせる彼女が大きく息を吐いて顔を背けていた。唇が震えていて途切れ途切れに息を吸い込んでは吐き出す

「嫌だって。言ってるじゃないですか…」

「やめないよ。なまえが俺の事すきって言うまではな」

「なん…!」

まだ収縮を繰り返す中に指を入れると彼女の体が揺れる。何度も何度も同じように責めていくと彼女も声を漏らしながらずっと嫌だ、やめて、を繰り返していたが
何度かイッた後だったか、一滴伝わるだけの涙ではなくて本当に涙を伝わせる彼女が「好きで、す…」と呟いてきた。半ば無理やり言わせて、自分は満足か?と聞きたくなったが、いつもとまったく違う彼女がまるで懇願するように好きだと言ってくる様子が煽られているような気さえするしゾクゾクする。普段虚勢を張っている彼女をこうやって苛めるのがこんなにも興奮するなんて自分はどうかしてる

指を少しだけ動かすと、悲鳴に似た彼女の声があがって「嫌!好きです、ってば!好きだからやめてくださいっ!!」って言うもんだから彼女の唇にキスをした。「んぅっ…」と声を漏らした、中で指を動かしながらだったため、彼女が時折非難めいた声を漏らす
何度か唇を重ねた後に彼女の唇を解放させた

「本当に俺が好き?」

彼女の瞳を見つめれば、彼女が眉を下げて何度も頷いた。彼女の中から指を引き抜けば、彼女がようやく安心したように安堵の息を深くもらしてカタカタと揺れる曲げていた膝を伸ばした。彼女の愛液で濡れた指を見せるように舐めると、カッと顔を赤くさせた彼女が日本語なのかわからない言葉を大声で発したので一瞬耳がキンとなる

彼女が下ろした足を再び太ももを持ってあげさせると、もうずっとはちきれんばかりに膨張していた自身を彼女の秘部へと擦り付ければ彼女が腰を引いて目を見開いた

「なんっ…で!?好きって言ったじゃないですかっ!!」

「ちゃんとやめただろ?手でするのは」

「っ…屁理屈!!!」

「ホー、随分余裕そうですね?」

「違います!」

グッと腰を沈めると、彼女が息を呑んで呼吸を止めた。いくら指でしていたからと言って自身を入れるには相当きついようで、彼女がはじめてだというのはわかったが、あまりにも力が入っている。目もぎゅっと瞑っているし、中もぎゅっと締まってる

「なまえ、力抜いて」

「んん!む、りっ…!!痛い…!」

「だから力抜けって」

「力の抜き方なんて忘れましたー!!抜いてっ!」

「だーめ」

「っ…」

ふっと力が弱まった隙に少しだけ奥へ進めたのだが、再び力が入った。彼女の唇をペロッと舐めると、彼女が目を細く開けて唇を結ぶ力を弱めたので口内に舌を挿入した
彼女の吐く熱い吐息を絡めとって彼女の舌と自身の舌を絡め合わせながら奥まで入っていくと、軽く彼女に舌を噛まれた

「こら」

「ご、ごめんなさいっ…」

本当に甘く噛まれただけだったからよかったが、思い切り噛まれてたら相当痛かっただろうな。普通に謝ってくる彼女に笑いかけると、彼女が顔を背けた

「動いていい?」

「NO!!!!」

声をあげられるとお腹を使うせいか中が締まる。それを彼女も理解したようで「う」と声をあげていた。ただそんな中途半端な状態をいつまでも保っていられるわけもなくゆっくりと動き始めると、彼女が「やだやだ」とまた言い出した
腕を縛っていて正解だったかもしれない、あまり身動きの取れない彼女だから口だけがよく回るだけで結局は自分の思い通りになる。
最初こそ痛そうな声をあげたり、その痛みに耐えようとしていた彼女の声が甘いものに変わると少しだけ緩急をつけたりする。甘い声を漏らしているのに「もういやだ」と時折漏らす彼女はいまだに何を思っているのかわからない
否定ばかりするな。彼女にキスをしながら腰を打ち付ける

「んんッ…!!」

「っは…なまえ」

名前を呼ぶと、彼女がこっちへと視線を移してきて彼女と視線が交わる。瞳を潤ませている彼女が短く息を吸い込むともう一度啄ばむようなキスをして再び唇を解放した

「俺を嫌がるのをやめろ」

「ちがっ…降谷さん、が嫌なわけじゃ…!ん…や、ぁ…!!」

ぎゅぅっと締め付けてくる彼女が目を再びぐっと閉じて背中を弓なりの反った。彼女の中から自身を引き抜けば彼女のお腹の上に欲望を吐き出す
もう本当にぐったりしているのでそろそろやめてやろうと思う。少し序盤苛めすぎたか…
自分はまだできるし、なんならシたいのだが、彼女も声をあげて喉が渇いただろう。ちゃんとお腹を綺麗に拭いてあげた後に彼女がこっちを見てきた
自身の乱れた衣服を整えて、ただ暑いので上の服だけは脱ぐ

「水持ってきてやるから、そのままでいて」

「え、ちょ、外してくださいよ!!」

自分が離れると、彼女はすぐに足を閉じて体を真ん中へ持っていくように小さくなっていった。台所からペットボトルに入っている水を持って彼女のほうに戻ると、恨めし気な目で見てくる

「そんな縄、抜け出せないのか?」

「っ…」

彼女がギリッと歯を食いしばるようにすれば無理やり、と言うようにグイグイと下に引っ張って腕を揺らした。そんな彼女を見ながら水を飲んで視線を一瞬そらした時だった
ベッドが揺れたので視線を彼女に向ければ、そこから抜け出した彼女が上から毛布をかぶっていた

「ホー」

顔だけを出した彼女がこっちを睨んで来る。無理やり手から取ったら彼女の手が赤くなっているのは想像がつくし、ましてや先ほど自分が結んで暴れている彼女のせいで確実に手は擦れたりして痛い事になってるだろうと予想はつくのに
あれだけの事をしておいて今更彼女に謝る事も、優しく水を渡す事も出来ないので自身がもう一口飲んでから渡そうと口に水を含んだら彼女の唇が重なってまだ飲み込んでいなかった水が彼女の口内へと流れていった

不意打ちすぎて口を腕で拭っていたら彼女が自身から水のペットボトルを奪って喉をならして飲んでいく。
もういいのか、彼女が大きく息を吐いてこっちを見てきた

「降谷さん!」

「は…はい?」

「逮捕しますよ」

確かに、自分が彼女にやったのは無理やり以外のなんでもない。膨れ面で言ってきてくれているのが幸いだ。急に名前を呼ばれたからなんなんだと少しだけたじろいでしまった
彼女がこっちをジッと見てくるとため息を吐いた、だからいったいなんなんだこの人は

「私、その場限りの嘘をついたわけじゃありませんから」

「は?」

こっちが一瞬考えていると、彼女が顔を赤く染めて視線をそらしたと思えば、毛布に包まったままベッドに寝転がって頭まで毛布を被った。
その場限りの嘘って好きってやつだろうな。「うわぁああ」と声をあげている彼女を毛布越しに見ていたが、彼女の隣に寝転がって毛布をめくり上げて毛布の中に入った

「不法侵入」

「ちょっと違うだろ」

汗をかいたせいか、少しだけ冷えている彼女の体を前から抱きしめると彼女が自分と彼女の間に腕を入れてきたのでその腕を持って手首を見た
やはり赤くなっている。その腕にキスをして舐めたら彼女が声をあげた、そしてすぐに口を閉じる
彼女と視線を合わせながらその手首を、傷を懺悔の意味を込めて舐めると彼女がその手を引っ込めようと必死に手を動かしてくるがそのうち諦めたようで手をカタカタと震わせながらそれを受け入れていた。手首を離すと彼女が深くため息を吐いたのでその隙に体をぴったりとあわせるように彼女を抱きしめる

「なまえ」

「はいぃ…」

「俺の事が好き?」

「まあ、わりと」

少しだけ体を離せば彼女がこっちを見上げてきた。自分も彼女を見ると、彼女が可笑しそうに笑う
そのまま言ってくれるのかと思いきやふぅ、と再びため息を吐かれた。それから彼女が体を押して離れようとしてくるので腕に力を込めた

「なんなんだよ!」

「だってなんでなんかこんな、許されたみたいな感じになってるんですか!許してないですし!!謝られてもないですもん!」

「なっ…なまえが質問に答えてくれたら謝ります!」

「子供かっ!!」

「好きか嫌いかはっきりしろ!」

「っ…好きだばか!!!!!」

ドンッと胸を叩かれて言われた彼女からの言葉に、はぁと大きく息を吐いて彼女を再び抱きしめた。聞きたかった、ちょっと余計なものが入ってるけど
彼女の髪に顔を埋めてぎゅっと力を込めて抱きしめる。「降谷さんは?」って聞いてくれれば俺も答えられる、そう思ったら見事に聞いてきた

「降谷さんは?」



「謝罪は?」

が続いた。違う、そうじゃないだろ
いや、それである意味正解だけど

「はぁ…すみませんでした」

彼女の体を離して謝罪すると、彼女が柔らかく笑って「許しません」って言ってきたので頬を抓った。何も変わらないな、この人
今度は俺がため息を吐いてもう一度謝罪し、くるりと反転して彼女の上に乗った

「すみません」

「だから、許さないって言ってるじゃないですかー…」

体を隠す彼女を見下ろして満面の笑みを浮かべると、彼女が生唾を飲み込んだ

「今のすみませんはそっちじゃないから」

「じゃあ、どっち…」

「もう一回します、すみませんのほう」

「ひ」

とりあえず自分も彼女も素直じゃない部類の人間なようなので、体でわからせる事にした。



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