朝起きたら、目の前には彼の寝顔があった。今日は本当に眠っているかな…なんで寝ねているのにかっこいい、可愛いって思えるんだろう…私の寝顔なんか見ていられない顔の自信があるのに神様はなんでこんなに見ていて素晴らしい人間を作り出したのか…そしてその素晴らしい人間は私の旦那様だし、子供もいるし。
彼の頬を軽く手の平で撫でた後に額にキスをしたら身動ぎされたので恥ずかしさのあまりに背中を向けた、眠ってるって事だよね…本当の寝顔がやっと見れた…
彼が私の首の下に手を入れてきて抱きしめてきたから、起きたのかと思ったけどそれだけで何も言って来ないし、私の耳にかかるのは彼の寝息だけ。それがまた絶妙な場所にかかっててくすぐったいし、抱きしめてる箇所間違ってる!そこ私の胸ー!!!!
あまり動いたら起こしてしまうかもしれない、でもすっごいやめて欲しい

耳にかかる寝息のせいで背筋がゾワゾワとしてしまい、小さく声をあげてしまったので慌てて口を閉じた。するとそれのせいで起った私の胸に彼の手がまた擦れるからさりげなく手を退かせようとしたのに余計に力強く肩を!胸を!抱きしめられた

「あっ…れ、れーさん起きてくださいっ!」

「ん〜」

返事はするもののまったく起きてる様子もなく、しばらくしたらまた寝息が聞こえてきて。体が勝手に反応してしまうから余計に恥ずかしい。こんなはずじゃないのにっ
しかも今度は肩を軽く掴んだり離したりと、軽くなぜかもまれて、胸のほうも揉んできた。服に胸が擦れて余計に体を動かしていたら、後ろからクスクスという声が聞こえた

「朝から可愛いですねぇ…。楽しいです」

「おきてたんですかっ!?」

「額にキスされた時から」

「最初っからじゃないですかっ」

恥ずかしい…というか、起きてるのに、わかってて私をからかって遊んでたって事か。
そう思って少し拗ねてやろうと体を離そうとするのに、私の考えなんてものは彼にしっかりと伝わっていたようでぎゅっと抱きしめられた。抱きしめられてしまったら落ちついてしまうし、彼の体温が温かくて大好きで落ち着くし、何も言えなくなってしまった

「改めておはようございます」

「…おはようございます」

ん〜といいながら彼が私の頭にすりすりとしてくるのは可愛いと思うんだけど、この手が可愛くない!私の胸を揉んでくるこの手が!この人こんなに変態だったっけ!

「そういえばれーさん、今日お仕事は?」

「今日は行く」

「お弁当…は、作っても食べられなかったりしますもんね」

「作ってくれるんですか!?」

急に起き上がったと思ったら私は寄りかかるものが無くなってしまってころん、と仰向けの形になり、彼が私の顔を覗き込んできた。爛々と目を輝かせてまるで子供のように問いかけてくる彼にはちょっとだけ驚いてしまって目を見開いて、明らかに私は戸惑っていた

「え、でも、食べられないですよね?」

「今日は事務のほう終わらせるつもりなので、食べる時間あります。無くても作る」

「じゃあ朝御飯と一緒に作りますね」

彼にお弁当を作るなんてした事が無いし、言われた事もないんだけど、こんなにそわそわしたような彼は初めてみた。準備なんてものはしていなかったから、あり合わせのもので、ありがちな典型的なお弁当しか作れ無さそうだけどそれでもいいのだろうか。洗面所を先に使わせてもらって身なりを整えたりしてからキッチンへ行って朝御飯とお弁当を作っていった。一緒に朝御飯を食べてからスーツ姿になった彼にお弁当を渡すと抱きしめられた

「ありがとう、みんなに自慢する」

「それはやめてください」

「行って来ます」

「行ってらっしゃい」

「…何時に帰ってくるとか、いつ帰ってくるとか聞かないのか?」

「帰ってくる時に連絡ください。ご飯作って待ってます」

「ん。三日はかかる」

「りょーかいです」

彼と唇を重ねると、音を立てて唇同士が離れる。行ってらっしゃい、と手を振ろうとしたらもう一度キスをされた。唇を舌で割られて彼の舌が入ってくると、腰に手を回されてグッと力を込められた
うんと背伸びをしてする彼とのキスは、腰を支えられてないと足がプルプルする。一応靴を履いて玄関の下にいる彼と、家のところにいる私とで少しは段差が出来ているのにそれでも足りない。舌を吸われて舐められて、上顎を撫でられるとくすぐったさに肩を竦めた
やっとキスから解放されたと思ったらもう一度ぎゅっと抱きしめられる

「朝に…」

「…朝に?」

「一回シとけばよかったな…」

「もう、早く行って!」

「いってきます」

悪戯っぽく笑う彼を見送って、私は子供を迎えに行くため車に乗り込んだ。
エンジンをつけていざ出発、っていうときに電話がなったので画面を見ると新一くんだった

「もしもし!」

"あ、なまえさん?工藤です。今大丈夫ですか?"

「うん」

"赤井さんが明日日本に来るそうなのでよかったら会いませんか?"

「行くー!!」

二つ返事でオッケーすると後で詳細と日時を送ってくれるというので、とりあえずそわそわしながら子供を迎えに行った。実は1日授乳してなかったけど、たびたび搾乳はしてた、でも搾乳機痛いしあまり好きじゃないため、子供にあってすぐにケープの中で授乳をしていた。それをしながら新一くんから来たメールを確認をして返事を返す
親からおもちゃとか飲み物とか服とかいっぱいもらってから帰宅した、たった一日なのに久しぶりに感じたのでほとんどずっとぎゅーっとしてて、ソファーの上に座らせてムービーを撮ろうとカメラを構えていたら多分スマホで私の顔が見えないらしく覗き込もうとして首を傾げている姿が取れた

ソファーから下ろして仰向けに転がしている間にれーさんと買って来たおもちゃを開けて作っていたら、ゴロゴロと転がって移動してしまった。それでも目に見えるところにいるのでおもちゃを作るのを続けた

「こどもー!おいでおいでー」

とんとんと床を叩いたらうつ伏せになって足をジタバタさせていた。どうしよう面白い、全然進んでないなーと思っていた。そう簡単に親を楽にはさせてくれないか…
抱き上げてれーさんと一緒に買ったジャンパルーの中に入れたら、聞いた事のない嬉しそうな黄色い笑い声をあげてジャンプしたり目の前のおもちゃで遊び始めた

私のスマホのフォルダは見事に子供で埋まって行く。そんな遊んでいる姿を撮影していても、れーさんに送ったりすることはないんだけど
送ってしまったら消せないだろうし、困らせてしまうかもしれない
だから会えた時とかにまとめて見せたりしている。遊んでいる間に離乳食の準備をしたりして…私は毎日そんな生活をしている



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