夜中に、白雪の部屋のドアがノックされた。一人剣の稽古を終え、シャワーを浴び、髪を解いていた白雪は、ちらっとそちらを見てから、開いている、入れと声をかけた。静かにノブを下げ、三日月のピアスをした耳が一番に覗く。白雪は、少しだけ眉間に皺を寄せる。

「こんばんは、僕のお姫様」
「…また、そんな正面から入ってきて。屋敷の中を通らずとも、バルコニーから来た方が見つかりにくいと、いつも言っているのに」
「まあ、そんなことより」

楽しそうにぴょこぴょこと部屋に入ってきたグロリアは、嬉しそうな笑顔で白雪の手を取りそのまま一緒にベッドに倒れ込むと、額にキスをした。

「ここ、皺になっちゃうよ。難しい顔ばっかりして」
「誰がさせている」
「昼間こうして会いにくるのも触るのも我慢してるのに。一緒にいられる間は笑ってほしいな」
「だから、誰が……」

グロリアの笑顔に、怒っているのがばからしくなってきた白雪は、ふっと表情を緩めた。

「だが、来る時は見つかりにくいようにしてくれ」
「一国のお姫様がみんなに隠し事なんて良くないなぁ」
「茶化すな。知られた時、辛いのはどう考えても私より貴様なんだぞ、グロリア。政務の連中も、美徳の皆も、黙っていないだろう」

また表情を険しくした白雪。至近距離でそれを見つめていたグロリアは、一度体を起こし離れて、珍しく真面目な顔をする。

「そんなのはどうだっていいんだ。僕、他になんにも誰もいらないと思うのは初めてだ。君とこんな関係になれたことが本当に嬉しくて、みんなに言いふらしたくて、自分だけのものって知らしめたいし、そのためならスノーホワイト領…ううん、オトギノクニ全部を敵に回したっていい、それでも何も辛くないよ」
「グロリア…」
「白雪様、あなたはどう思ってる?」

白雪はしばらくゆらゆら瞳を揺らして口ごもった後、するりと、グロリアの首に腕を回して、囁く。

「様、なんて付けて、呼ぶな…」

グロリアはその返事に、ニッコリ笑って、再び白雪をベッドへ押し倒した。









----------

イフグロ白!!!!
イフでしか絶対ありえないからこそやってみたかったです!!
白雪様が一個下なのバク萌え。グロリアと白雪様、身長3cmしか変わらない……




「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -