エステリアは父子家庭。お母さんは小さい頃に病気で亡くなり、大工のお父さんが男手一つで育てました。お父さんは、陸の大工さんの棟梁。家に一人でおいとけないので、仕事場に連れてって、若い人達に遊んでもらったり。エステリアは大工仕事に興味津々で、みんなにいろいろ教えてもらって育ちました。ただお父さんは、男に育てられたからって(とくに、荒っぽい大工の中にいたので)男っぽくなったら亡くなった奥さんに顔向けできないって思って、躾には厳しめ。エステリアは女らしくとか言われるのは大嫌いだったけど、お父さんのそんな気持ちも察していて、一応のマナーなんかは身につけた。
舟に出会うのは9、10歳くらい?たまたま港での仕事の時に、初めて船を見て、惚れ込んでしまいます。お父さんがエステリアを陸の大工さんにしたいと思ってるとエステリアは思っていたので、こっそりと本なんかで船の構造とか見たり、大工の若い衆に「父さんには秘密」って言って夢を話したりしてました。この時点で船大工になりたくて仕方ないエステリア。お父さんはエステリアに好きな仕事をしてほしいと思ってて、でもエステリアが自分に気を使ったのもわかってたので、間接的にエステリアに船大工を教えようと頑張るとか、可愛い。船大工の知り合いに仕事場に紛れてもらったり、若い衆達に「間違った知識なんか教えるんじゃねぇぞ」って勉強させたり…

年頃になり、お父さんのそんな努力も知らないエステリアは、あたしは船大工になるって書き置き残して家出のように飛び出します。お父さんはわかってたことなのでしみじみ。面と向かって言われたら自分もうまい言葉がかけられないから、そんなふうに出て行くのもエステリアと自分らしくていいよなって感じ。
エステリアはその後色んな船に乗せてもらいつつ修行して、腕を磨く。そろそろ身を固めたいという頃、たまたま停泊していた立派な船に感動して、こんなタイミングでこんな船に出会えるなんて!と運命を感じ、その船の持ち主に自分の感じた衝撃や船の素晴らしいと思ったところを熱く語って、頼み込んで乗せてもらったとか…もちろんそれが、ヴィンセント団の船。

アルマースさん側についたのは、アルマースさんの礼儀正しく、という方針に、無意識のうちにお父さんを思い出したからじゃないかなと…なんだただのファザコンか…

でもエステリア家は人並み以上に親子喧嘩してます。お父さんも荒っぽいし、エステリアも根底はそんな感じの性格で育っていたので。喧嘩は派手にやります。でも、今エステリアはお父さんのことをとっても尊敬してるし、感謝してます。という話でした。

ちなみにエステリアの短刀での戦い方は、仕事場の若い衆達に教えてもらったと思います。結構やんちゃしてた人とか多いイメージなので、勝手に…
短刀自体は家を出たあと船大工で稼いだお金で買ったと思います。交渉得意そうだから、色仕掛けみたいな感じでだいぶ値切って買ったと予想。
普段は結構男言葉だったりもしますが、そういうときだけ女言葉。あと酔っていろんな人に絡むときも、そんなだといいと思いました。




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