後輩新羅と静雄先輩
「先輩!静雄先輩!どうして昨日合コンがあったって僕に教えてくれなかったんですかっ?」
「ああ?なんだ岸谷か」
昼過ぎ、彼は一目で寝起きだと分かるぼやんとした顔で学校の食堂へやって来た。
「新羅です。昨日、行ったんですよね?合コン」
すかさず横に並び、彼の頭がまだ半分夢の中なのをいい事にトレイにさり気なく野菜を乗せていく。そうしないと彼は、カレーと牛乳とプリンしか食べないからだ。
「行きたかったのか?そりゃ悪かった。お前女と同居してるっつってたから」
「違います」
「あれ、もう何年も女と二人暮ししてるっていうの岸谷じゃなかったっけか?」「新羅です。そうですそれは私です」
あ、先輩またプリン二つも取った。なんとかして一つ貰えるように誘導しないと。奪うのは自殺行為だからね
「そうだな。お前は新羅だな」
「違います!」
「岸谷新羅だ」
「そうじゃなくて…」
「ミドルネームもあったのか?」
ないよそんなの!なんでそうなるのかな。俺は女性と同居してる事に対してそうですって言ったのに!
「コミュニケーションって難しい。僕ちゃんと医者になれるかな…」
「そうか。合コンでコミュニケーション能力を鍛えたかったんだな。気付いてやれなくて悪かった」
違います。違いますよ。っていうか、先輩。貴方全然コミュニケーション能力鍛えられてません。
「俺が言いたいのは…」
「待ってろ。今日のやつ誰かに交替させる。あ、もしもし俺だけど」
「ちょっとまた行く気だったんですか!ダメ!平和島静雄は不参加です!絶対にに行かせませんからね!」
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大学生=合コンという恐ろしく残念な思考。