世界は絶え間無く廻る。そんな不変な事実を憎んだって仕方ないのだけれど、俺は牙を向けずには居られない。それが自分が息づく唯一の証であり、理由なのだから。世界を憎んで怨んでそれでもなお、俺を乗せて廻るのか。
いっそ、置いて行ってくれれば良いのに。お前を壊そうとする俺すら抱えるだなんて、随分と皮肉な事だ。

夜が喪に服し、朝は産声をあげる。
その度にあの人はまた一つ遠退く。
蕾が開き、花弁が散る。
その度にあの人の笑顔は溶暗する。
世界が時を刻む程に、あの人との距離は広がってゆく。夢は現実に帰依、今に堅実に消え。どれだけ願えどもう二度と時を共に刻む事は無い。

ならば、生に背を向け歩いて行こう。そうすれば貴方に近付く事が出来るのだろうか。
あの人の元へ繋がる先を、手繰り寄せる。一秒一秒、それが貴方へ近づく事の出来る一歩だ。それでも貴方は限りなく遠いと言うのなら、世界を壊して俺も共に消えてやる。





つまりは
死にたがりの戯れ事

(死ぬるばかりは真)




「誰かが、」様提出

 

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