銀河を架ける想い蒼き狼 留奈様より
いつからか
こんなに君の存在に
助けられて
幸せを感じて
生きてきたのだろうか
18歳の僕らは、それぞれの道を歩みだした。
俺は、また、アストロノーツ養成学校に戻ると決めた。
別れの日に、ルナは言ったよな。
『ずっと待ってるから』
そのコトバが、君を縛っていなかったか?
我慢をさせてなかったか?
俺の存在が、君を束縛しなかったか?
*******
「ルナ先輩!!今日は合同開拓技師のコンパがありますけど、行きませんか?」
「行かない。あたしは、仕事が残ってるから。」
後輩開拓技師リーは、チャコを見た。チャコは、頑固だから無理やで〜と目で合図した。
後輩開拓技師はチャコに不思議そうに雑務整理をしながら聞いた。
「先輩って…男性に興味ないですかね〜…」
「ブッーー!!」
チャコは吹き出した。
「汚いですよ〜!!」
「リー、お前が変なコト言うさかい、おかしゅて、おかしゅて」
チャコは、新製品のトロピカルマンゴージュースを吹き出した。まぁ、チャコはいつも何かと口にするものを吹き出すから、慣れてると言えば、慣れてるが。
「ルナには、待ってる人がいるからなぁ〜」
「え??先輩って彼氏いたんですか??」
身をのりだし、仕事のことをそっちのけなリーを見て、えっへんとばかりにリーに言う。
「当たり前やで〜!ヘタレで、まぁ、顔はイケメンかぁ〜?多分パイロットになったんやないか??」
「多分…??先輩って…その人に逢ってないですか??」
リーは真剣な眼差しで聞く。チャコは、一呼吸おく。
「18歳の時から、もうかれこれ2年経ったな〜」
「2年????なんでそんなに先輩待てるんですか??わたしなんて、すぐに不安になっちゃう…近くにいても毎日電話とか、メールしないと…心細いのに…」
チャコはそれが当たり前や〜と言ったが。でも、先輩のことが、ますます不思議になる。
「先輩は寂しくないですかね…」
「寂しいちゃうか??たまに、泣いてるしな〜」
やっぱり、先輩は普通の女性だった。でも、その彼氏をリーは恨めしく思った。「チャコ。なんで彼氏さんは、ルナ先輩を2年も放置するの?わたしなら、あんなに素敵な先輩を手放さないですよ!!すぐに、誰かに持ってかれそうで〜!」
「せやなぁ〜。あいつもそれくらいはわかってるんちゃうか?」
「〜〜!!チャコ!!どんな人なの!ルナ先輩を落とした相手!!!」
「ルナに言わへんか?」
「言わないから教えて!!」
「ん゛……」
返答に困るが、ここまで言って言わなかったら逆に根もはもない噂が立ちそうだったから、えい!仕方ない!とチャコは心を決めた。
ガラっと、チャコ専用の机から一枚のセピア色あせた写真が出てきた。
「先輩若い!!髪短い!!」
チャコはルナの隣の男子を指差す。
先輩の…カレシ…うわぁー……
この綺麗な顔立ちの少年が…先輩の…
「何してるの?チャコ??」
チャコの後ろにキレぎみにルナが立ってた。
「あー…い…」
チャコは冷や汗かいた。リーはチャコをかばう。
「ごめんなさい、先輩…あたしが悪いんです…だって先輩…美人なのに…彼氏つくらないから…だから、チャコに聞いたんです…チャコは悪くないです…」
ふーっとため息をついたルナ。後輩に心配させてるとは思わなかったから少しびっくりもした。
「ごめんなさい、リー。確かに…変よね…20にもなって恋の1つもしようとしないなんて…」
薄く笑うルナの顔はどうしようもなく切なさを帯びて、苦しさが増す。まだ、この写真の相手が好きなんだ、って思った。いや、あたしが思う以上に―――逢いたいのを抑えてる気もした。
だって、今にも先輩は崩れそうなんだもの。
お願い。この写真の彼氏さん。あたしは先輩の本当の笑顔を知らないの…―――
それを戻しせれるのは、あなたじゃないの?どうして、どうしてよ。
好きなら何で、2年も会わないの?それとも嫌いになったの?
もう我慢できません!!!
「先輩!!逢いに行きましょう!彼氏さんに!!!あたしは先輩行かなくても行きます!!」
「………!!」
チャコはニヤリと笑い、リーの肩にのる。
「付き合おうやないか〜!」
頷いてリーは仕事を片付け荷造りした。
ルナはその姿を見て、後ろのカレンダーを見た。月日は流れ、昔は水の流れのように過ぎ去って行く。自分から動かないといけない時もある。
「リー…あたしも行く…」
「先輩!」
ルナは静かに言う。どれだけ我慢したか。リーのコトバが胸に刺さる。だって、事実だから。
まだ変わらない想いがここにある。
カオル、あなたはまだあたしと同じキモチでいてくれてるの?
*******
「アストロノーツ??そこは人工衛星コロニーで、小惑星の衝突事故も多いとこですよね??」
アストロノーツ、選ばれしパイロットの集団。
まさか、そんなすごい人があの写真の少年!!リーはますます気になった。
でも、
仕事は激務と聞く。男でも、過労で吐血するような仕事をさせられると聞いたことがある。
リーは思った。
その人は心配させたくなかったのかと。
先輩を愛してるゆえに。でも、いや違う。だってそれなら、連絡をするだろう。
外を眺めると銀河が広がってた。銀河の光は何億年をかけ、あたしたちのとこにふりそそぐように。宇宙の広さは、人のキモチのようだ。…恒星の輝きは、喜怒哀楽すべてを感じさせる。闇に輝き続ける太陽。その光を反射し輝く月。お互いが、引き合う、引力。
……先輩とその人だって、きっとお互いを想ってはいるはずなんだ。
じゃないと少なくともあたしは納得いかない。
先輩を縛るその存在を。別れるときに、解き放てば良かったのに、きっと…離したくないのもわかるけど。でも
それじゃ先輩が、天涯孤独です…
お願い…先輩を本当の笑顔に戻して…―――
******
「なんか何もない感じのコロニーですね…」
「せやなぁ〜…」
「本当にそうね…」
「先輩来たことないんですか?」
リーはびっくりして聞く。ない。とルナは寂しそうに言った。チャコ曰く、逢いに来るな、らしい。お互いのために
お互いのため?それって、誰のためなの?少なくとも先輩のためじゃない…リーの中で、カオルを恨めしく思うキモチはさらに高まった。
*******
「この花……」
ルナは殺風景な中に咲き誇る花の側に寄る。
「どうしたんですか?」
「これ、この花をカオルは一回、送ってくれたことがあるの。ここに咲く花なんだ…」
彼氏は『カオル』と言うのか。
その紅く、形のよい花を見てなんとなく先輩を連想してしまった。
やっぱり…まだ…先輩を…
「何をしている??」
あたしたちの側に怪しい黒い服の男たちが来た。
ひえぇ!!まさか、ここは立ち入り禁止区域??
「すいません、あの…アストロノーツはどちらにありますか?」
ルナはそんなのどうでも言いように、黒い服の男たちに聞く。
「何かようか??」
「人を探してます」
「人??」
1人の男の顔が変わった。ルナに近づいて来た。リーは先輩危ない!!とばかりにルナの前に行く。
「まさか…まさかだけど…カオルの知り合いだったりする??」
「知ってるんですか?カオルを…?」
ルナは嬉しそうに聞く。やっぱり、と男は言った。
「カオルの彼女だろう??カオルは今、負傷してる。」
「えー!!!!!!!!」
リーの断末魔が響き渡る。みんなびくりとした。
「んーと…命に別状はないけど…少し身体が今は不自由なんだ。」
「今、どこに?」
ルナは心配そうに聞く。男はこっち、と指差し、一緒についていく。
*******
「カオル〜!お客さん」
「誰も俺を訪ねる奴などいない」
「何いってんだよ、お前の一番大事な人が来たぞ」
「大事??まさか――」
嘘だ、夢か。いや、オレンジの髪。蒼い瞳、…ルナ!!
刹那――――
カオルをすぐに抱き締めた。やっと逢えた。
やっと。
「どうしてよ。連絡してよ…あたし…寂しかったよ…」
ルナの涙はカオルの服を濡らす。
変わらない想いが込み上げる。
見つめる。お互いを凝視し合う。また抱きしめあう。接吻する。何回も何回も角度を変えて、恥ずかしい音が響いてますよー。恥ずかしいですー
あのー忘れてませんか??
二人の世界に誰1人入れるはずがない〜!!
見てる方が恥ずいですねー…
「あ!!先輩笑ってる!!」
涙で潤んではいたが、初めて見た。すごく綺麗に笑ってる先輩。
「チャコ〜…」
「なんや?」
「あたしも彼氏頑張ってつくる」
「せやなぁ〜。あんなん見たら、ほしくもなるわなぁ〜」
「うん!あたしを本当に愛してくれる人!頑張って探す!!!」
「リーならできるわ〜」
良かった。本当に良かった。
カオルさんはルナ先輩と連絡がつかなかったのは
回線がアストロノーツは遮断し、遮断したことも、激務で連絡ができなかったらしい。
その上、怪我をし、身動きが取れなかった。らしい。
なんか…なに?そのおち!!??
fin*
梅子の感想
もうね……この小説をいただいた時の私の気持ちがおわかりになりましょうか。
鼻息がはぁはぁなんて目じゃありませんぜ?
おおおおおおおおおお、とテンション崩壊。
祭りじゃぁぁぁぁみたいな。
遠恋最高。
ちくしょう、まさかカオルにこんなに悶えるだなんて!!!(ヲイ)
ルナは強いし、オリキャラ様もいい味出してるし、チャコはもうそこにいるだけでGJな存在に……!!!
銀河を架ける想いってあれですか、わたくしから留奈様へのものですか(ただし一方通行)
もう留奈様ほんとにありがとうございます!!
サイト開設して良かった!!
なんて素敵なカオルナなの!!
わたくしは幸せ者にございます!!!!!!!!!!