2010/10/21 19:14
J e s u s ... [スネカズ]
死ネタ。スネカズなのかカズスネなのか見る方次第。

何でも来い!って方はどうぞ。







(take me out)


夢なら、醒めてくれ


(……Real or Dream…?)





「……起きろよ、スネーク」



情け無いくらいに震えた声で呼び掛けた。

意志の強さを表したような瞳も、今は閉じられている。
傷口はまだ、塞がっていない。
じわりじわりと地面を赤黒く浸食していく液体。
それが、何なのか、嫌になるくらい知っているはずなのに。


足の力が抜けて、その場に崩れるようにして座り込んだ。
じっと、目の前に横たわるスネークを見つめる。…目が開くことはなかったが。




震える手で、そっと頬へと触れる。


―――温度が下がり始めた生温い肌に、泣きたくなった。



「嘘、だろ…っ…?」


泣きたいのに、いつまで経っても涙は出て来ない。
ただ、かたかたと手や足が震えるばかりだった。



「………!……!!」


響く、絶叫。銃声。


「あ…」


此処は、戦場。
自分が生き残るためなら他人の事なんてどうだって良いと思っていたのに。

今は、離れたくないと、そう思っている。

ざくざくと、森の中を走る音が近付いてくる。

此処には俺とスネークの2人だけ。


頬に触れたままの手は、スネークの体温と同化して冷たくなっていた。

任務に向かうとき、あんなに笑ってたじゃないか。
ちゃんと帰ってくるって。
そう言って、手を振って、笑顔で別れたのに。


「何で…独りで……」


(せめて、)


「………俺を、殺してからにしてくれよ…」



冷たくなった唇に、キスを。
頭で理解はしているけれど、やはり冷たいそれに、悲しみは増すばかりだった。







「いたぞ!!!!!」


喜びも怒りも混ざったような声で叫ぶ兵士。

そりゃそうだよな。自分の部下を、上司を、友人を、殺した軍の指令官と副指令官を見つけたんだから。


…きっと、復讐に取り付かれているんだろう。

そんな事をぼんやりと考えていたら、ザザッ、と銃を構えた敵兵に囲まれた。


「………スネーク…」


緊迫した空気も、死に対する恐怖も、何とも思わなかったけれど。


ただ、悲しい。

それだけが頭の中にあった。



「撃てェェェッ!!!!」


引き金が引かれるまでの動作が、全てスローモーションの映像を見ているかのような、非現実感。

やはり、死への恐怖は欠片も無くて。



(スネーク、スネーク)


―――ようやく、涙が、頬を伝った。



「…有難う」




ぱぁん、と。

俺の声を掻き消した、命を奪うにはあまりにも軽い音。


(…スネーク)


愛しい人の笑顔が一瞬だけ頭の中に浮かび、視界は黒く塗り潰された。



(俺たちが、悪かったのか)

(それとも世界が、悪かったのか)



(あんたがいてくれたら、そんな事もどうだって良いと思えたんだ)




Image song ― Jesus


…突然すみません\(^O^)/
表現やらなにやら足りない所は多々ありますが、頑張って脳内で補って頂ければありがt(ry




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