「女」
「なんでしょう」

もともと薄着の彼女の肩に手を置く
何と無く名前を呼ぶのは好きじゃない
俺様がこの女に執着するみたいで
もしかしたら認めていないだけで
そうであるのかもしれないが

「拒まないで隣に座ってろ」

今日は手をださねぇから
そう告ると珍しい、あなたがなんて言ってくる
今日はなんだか一人になりたくない気分だ
ふと現れてふと消える
そんな女に何を求めるのか
盲目で俺様の顔も知らないのに
何故俺様に抱かれるのか

「変な女」

「俺の声と触れただけの体しか知らないのに」

「何故俺に抱かれる」

こんなことを聞いているうちは
まだ俺はこの女に執着しているのだろう

「答えないと、抱く」
「困った人」
「うるさい」

何と無く口元の緩んだ女を引き寄せてベットに沈む
自分とは反対の白い肌が自分の褐色に生えて
どことなく色っぽい
キスマークなんて馬鹿なことはしないが
今度はどうしてやろう

「きっとあなたが」

「眩しいから」

肩口に噛みつこうとした時
彼女は言った

「またそれか」

同じ世界に住むのに何を言うのかとふと浮かんだがどうでもいい
今はこの白を自分と同じ色に染めたい
せいぜい自分勝手な人なんて言われたがそれどころじゃない
ガブリとそこに噛み付いた



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