とある部屋で床に体を打ち付ける鈍い音が響く。
ベッドから落ちた本人は未だに寝ぼけたまま天井を見つめていた。

…朝か

鈍い痛みが残ったままの腰を上げたのは最近死んだばかりの男。
軽く伸びをした彼はベッドの横に置いた机の時計に目を向ける。

「9:30…」

次に洗面所へ足を運んでいく。
鏡を見つめて左頬へ手を添える。
おはようと小さく呟いて豪快に跳ね回っている寝癖を小さく撫でた。

シャワーから出た彼の前に小さな生物が座っている。
依澄はズボンに足を通してそれの前にしゃがみ込んだ。

「おはよう、大翔」

小さな黒猫の顎を指で撫でる。
気持ち良さそうに目を閉じるその様子を見て、静かに微笑む。
立ち上がり台所へ行くと後ろからちょこちょこと着いてくる。
それが何とも嬉しいらしい彼は、もう一度猫を撫でて冷蔵庫を開けた。


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