(森記荘[もりしめしそう]…)

「あー…新しく入ってきた人か、いらっしゃい、部屋は310号室。荷物はもう来てるはずだから適当に頑張って」

誰だよ俺のプリンとった奴!!

今日から始まる俺の新生活
先に送っていた荷物の代わりに小さめのリュックを背負って玄関の前に立つ
中からは騒がしい声が聞こえてくる
恐らく今挨拶をしてくれたのは支配人の方だろう

(…随分面倒臭そうな対応だったな)

ここに入居を決めて手続きをした時に支配人は当てにならないからと言って管理人の方が対応してくれた
なるほど説得力がある

「ふっざけんなよ!あのクソ支配人…ってあれ?どちらさん?」
「あっ、俺今日からここに…」
「ほーーー、そうなの!俺もここの二階借りてんだ、よろしくな!」

俺の手を掴み縦に振ってじゃあまた後でなーと残しバイクに跨り何処かへ走って消えて行った

(嵐みたいな人だな)

両手をぐっぱーと握って開いて少し温もりが残っているのを何となく確認してみる
そして目の前にある玄関のドアを掴む

この先にこれから生活を共にする人達がいると思うと自然と緊張してくる

ガチャ…


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