今この屋敷…財閥に代表者はいない
次の社長について全員で話し合いたい、と要に屋敷の人間を全員食堂へ集めさせる
そして特攻班のメイドに真奈美を呼びに行かせる

「任務開始」

食堂から真奈美の部屋までは急いでも三分はかかる

「真奈美様…要様が次の社長について話し合いたいとお呼びになっています」
「誰が行くか!どう考えても次の社長は長女の私よ」
「失礼させて頂きます」
「ちょっと…何勝手に入って来てるのよ…!!」

突然の停電を起こす
パニックになる食堂と真奈美
その間に食堂の扉を全方位から鍵で閉める

(どうせならここもパソコンで硬めちまえばいいのに…)

パニックになっている真奈美の
部屋へ気付かれないように入る
電気が点くとホッとしたような顔に続々する

(これから殺されるなんて毛程も思っていない顔だな)
(それを罰せられるなんて)

「容疑者財前真奈美」

(何て興奮することか!)

お前は恋人に父親の存在…
そう財前社長は一般人にも恐れられるような存在だったな
それを知られ逃げられる
そしてお前は傷心する
しかしある日財前社長に話があると呼び出される

「お見合いの話だったそうだな」

社長のせいで恋人に逃げられたお前は社長へ怒りの矛先を向ける
全てはコイツが悪い
コイツのお陰で酷い目にあった
その上お見合いの話だ
傷口を抉るようなことをされ頭に血が登ったんだろう

「お前は父親を殺すことを決めた」

その日の夜、誰も居なくなった厨房へ行き果物ナイフを懐へしまい社長室へ足を運んだ
そして爆睡している社長に気付かれないように
そればかりに気を取られたんだろうな

「厨房、調べさせてもらった」
「お前が大好きな果物を食べないって情報を聞いてな、おかしいと思って果物ナイフ」

「財前社長の血液と、お前の指紋が検出された」

父親を殺した事に歓喜したお前は大声を上げて喜んだ
しかしそれでバレてしまうと咄嗟に思ったんだろうな人がくる前に走って逃げた
その際についた部屋のカーペットのお前の靴跡が残っているぞ
そして厨房へ戻り血を水で洗い流しスポンジと洗剤で果物ナイフを洗った
そのまま元にあった引き出しにしまいこんだんだろ

「父親を殺した果物ナイフで果物が切られていると思ったら誰でも食べたくなくなるだろうな」

そして事件はニュースになる
果物を食べなくなったお前は屋敷の奴らからショックで食べられなくなったと思ったんだろう
テレビや雑誌でもお前は悲劇の社長令嬢として世間の同情を得る事に成功する

「私が父さんを殺したみたいな言いがかりね」
「果物ナイフは多くの使用人の指紋がついてるはずよ」
「決定的な証拠にはならないわ!何より私は父さんを殺していない!」

「だけど一つ盲点だったな」

財前社長は部屋に監視カメラをつけていたんだよ



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