授業終了のチャイムが鳴る

「聖くん!」

後ろから名前を呼ばれて振り返るとクラスの女子が何人か走って追いかけてきていた
何や、差し出されたのは可愛い柄のついた絆創膏

「乙女は絆創膏まで気を使わないと、駄目だよ」

とか言ってくるもんだから不覚にも涙が出るまで笑ってしまった

家に帰ってから案の定おかんにこっぴどく叱られたが聞いて欲しくないことは何一つ聞いてこなかった

(流石浪花のおかんや、侮れん)

これ以上家族を心配させないためにも授業はサボらないでしっかり参加することにした
自分の頭じゃ教師にはなれないことはもう自覚しているから別の方法を考えている

(不必要な殴り合い)
(一方的な暴力)
(大人のあり方)
(間違った情報)

一歩間違えば人を傷付けかねない行動に常に目を見張りそうなる前に行動を改させる

辛い思いをする人を少しでも減らしてあげたい

そんな思いが彼をまた一つ強くした
昨日のように教室のドアを勢いよく開ける

「おはようございまぁーす!」

高校に入って初めての清々しい朝が俺を迎えた



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