「…っ、今日は好きに殴ればええよ、逃げも隠れもせぇへん!かかってこい」
本心ではない言葉を苦し紛れで吐けば思ったとおり複数人がどこからともなく現れた
「とうとう堪忍したか」
「一々鼻に付く言葉選びやがって」
「俺らは先輩」
「身の程知らずも程々にな!」
全く痛くない一撃は腹を突き上げる
小さく息は漏れるが体よりも心が痛い
(何をしたって言うんや…)
(学年の奴等にも何もしてへん)
(なのになんで)
(先公も気付かないふり)
(誰も止めようとせぇへんの)
一人で全て抱えて心を痛めるなんて飛んだマゾ野郎か俺は…
何て自分を嘲笑えば勘違いして殴る力が強まる
「何、マジで殴られてるだけじゃん」
「つまんねぇ奴」
地面に雑に捨てられて去って行く奴等を数えると六人程
全員の顔は覚えている
絶対に忘れてたまるか
(俺みたいな奴等…それとあいつらみたいな奴等を増やしたらアカン)