シナプスからの便り



4月は時間が立つのが早くなるとはよく言ったもので、期待と不安が入り混じった入学式も早々に終わり、わたしたち新高1も今日から授業です!中学のときからわたしは特に英語が苦手で(入試は一番点数が低かった)今とても緊張をしてる。何故なら高校に入って初っ端の授業が英語だからである。(最悪以外のなにものでもないよ…!)実は授業は昨日やったのだけれどオリエンテーションだったから数えないことにする。

不安になって朝のHR中に英語の教科書をパラ読みする。…何これ全然わかんない…!なんで昨日すぐ寝ちゃったんだろう!なんて過去の自分を罵倒するけど意味なんてないことは知っている。やばい、どうしようと思って周りを見るも、そうだった。わたしの周りは男子で固められているのだ。昨日少しだけしゃべって仲良くなった子もわたしと一番離れている席で、泣きそうになる。こうなったらヤケだ、隣の男子に聞こう!とクルリと向けば、その子とパチリと目があった。

「え、…と何か?」

いやいやいや!何かあるのはわたしなのに!なんでわたしが聞いてんの!馬鹿!と最早わたしの頭は使いものにならないらしい。

「んー、キョロキョロしてたからどうしたのかなって、思って」

クリクリと可愛らしいとても大きな目でわたしを見つめかえす彼は意外にもわたしを気にしてくれていたようで。なんともありがたい、聞きやすい状態になった!あの、この英文よくわからなくて、ごめんちょっとおしえてくれない?と聞いたら心よくおしえてくれた。

彼、一之瀬くんはアメリカからつい最近帰ってきた所謂帰国子女でとてもわかりやすく丁寧におしえてくれた。いい声だし、英語の発音キレイだし、かっこいいし、と絶対モテるであろう男子だった。これみんな黙ってないよね。

そうこうしているうちにカリカリとした英語の先生が授業始まりの合図と共に颯爽と入ってきて、少し体がビクついたけど、隣で一之瀬くんが大丈夫だよ、と言ってくれて少し落ち着いた。

授業も中盤に差し掛かったころ、先生がわたしを名指しした。黒板を見れば、一之瀬くんがさっきおしえてくれた所でスラスラと答えることが出来た。しかもあの堅物な先生がすごいなよく出来た、と褒めてくれたのだ。ありがとう、一之瀬くん、と思い隣をパッと見れば、フワリと柔和な笑みを浮かべている一之瀬くん。瞬間、わたしの顔に熱が集中した。


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シナプスからの便り/一之瀬




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