「はい!主の、思うままに。」

あなたを癒すという大役を任されて、長谷部は意気揚々と頷きました。

あなたの手を引き、共に立ち上がると、長谷部はくるりと背中を向けてきます。

「ほどいてください、主。」

するり、あなたがりぼんを解くと、長谷部はストラぽい、と取り去ります。そのままカソックまで脱いで、雑に投げ捨てられたそれは、床の上でくしゃくしゃに丸まってしまいました。

あなたと目を合わせた長谷部は、にやりと挑発的な笑みを浮かべて、手袋の先を噛みました。する、する、と焦らすように右手が露わになります。

あまりのドヤ顔にあなたが目を反らせないでいると、あなたからの寵愛に絶対的な自信がある長谷部は、手をとって、自らの左手首をあなたに握らせました。

「こちらの手袋は、主が脱がせてくださいますよね?」

あなたがもう一方の手で手袋を脱がそうとすると、ぴっと手を引かれてしまいます。

「俺がやったようにしてください。…ね?主。」

言いながら、長谷部の長い指があなたの咥内に差し込まれます。
長谷部の手袋にあなたの唾液が吸われて、舌先が乾きました。

むぐむぐと、指を傷つけてしまわないように、あなたは前歯で手袋の先を噛みます。
ちらりと長谷部に視線を送りますが、彼は、どうぞ?と言いたげに微笑むばかりです。
あなたは掴まされた長谷部の手首を引いて、口で手袋を抜き取りました。

「上手です、主。…ああ、でも、少し濡れてしまいましたねぇ?」

長谷部がしげしげと手袋を眺めるので、あなたの頬は羞恥に赤くなります。
その様子が可愛らしく、長谷部は己の中の欲望がずくずくと疼くのを悟られぬように笑いました。

手袋をぽとり、見せつけるように地面に落として、次に長谷部はあなたの両腕を自分の腰に回させます。

あなたの指先に、カマーバンドのボタンが触れました。近付いた距離をいいことに、彼はあなたの耳元へ囁きかけます。

「こちらも、主に外して欲しいです。」

長谷部の息は熱く、あなたを煽ります。
それに浮かされたように、あなたはぷちり、ぷちりとボタンを外してあげました。
床に落ちたカマーバンドを、長谷部が足でぞんざいによけます。

長谷部はにこりと笑むと、シャツのボタンを片手で器用に外しはじめました。
左手は、感触を舐めるようにあなたの熱い頬を這っています。

「しっかり見ていてくださいね、主。」

外れていくボタンを追うように、あなたの視線は長谷部の臍へと滑ります。
長谷部はどんな形であれ、あなたの視線を独り占めしていることが幸せで堪りません。

さらりと、いとも簡単にシャツが脱ぎ捨てられて、長谷部の上半身はすっかり隠すものが無くなってしまいました。
しっかりと骨格に絡んだ筋肉や、自分の体とは全く違う男性らしい凹凸。

手入れの時に目にしたことはあっても、意識的に見せつけられるというのには慣れておらず、あなたは視線を逸らしました。

「主?俺の体はお好きですか?」

長谷部はあなたの手のひらを掴むと、自身の首筋、鎖骨、胸、と滑らせます。
それは硬く筋張った体の感触を、その手のひらに覚え込ませるような、じっくりとした意地の悪い触らせ方です。
腹筋から、腰をとおって、後ろ手に回すように、ぐいと体を引き寄せられて、あなたは長谷部の胸元にしな垂れかかりました。

あわてて胸板に手をつき、身を起こすと、こんどは腰を鷲掴みにされて下半身が密着します。後ずさるあなたの足の間に、長谷部の足が入り、膝を浮かせるようにして、ついにあなたの自由を奪ってしまいました。

「主のことは、俺が満足させて差し上げます。」

くっついた腰を、ぐい、と急かすように揺すられると、あなたの頭はすっかり煮えてしまいました。

底抜けに従順なはずの長谷部は、あなたの唇から命令が溢れるのを胸躍らせて待っています。
それは当然。だってあなたの願いを叶えることは、長谷部にとって何よりの褒美なのですから。




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