衝力の合計は135
ぱたん、と閉まったドアを、廊下の影から見つめる白い影。ふわり、マントを翻して、非常階段の手すりから階下を見下ろす。
親指をびしっと立てて、合図を送ったのは太鼓鐘貞宗だ。
「おーけーおーけー!作戦通りだぜ!」
一階で声を張り上げていた光忠と鶴丸もまた、サムズアップ、顔を見合わせた。
「上手くいったみたいだね!」
「ああ、こっからが本番だな。」
伊達による、追い込み漁はすでに始まっていた。
ぴぴ。
審神者から光忠に通信が入る。
携帯でよかろうに、スパイみたいでかっこいいだろ!とインカム型の小型無線が支給されていた。
「かっこいいね!」
「かっけー!!」
「驚きだな!」
と目をきらっきらに輝かせた三振りに審神者は、ふんすと胸を張った。
「金に糸目は付けない。大倶利伽羅の恋愛なんて面白…っいやいや、俺の存在がかかってるからな!」
いつになく息巻く審神者に、光忠がにこりと微笑み返したことは記憶に新しい。
「かっこよくフォローしたいよね!」
耳のところに手を当てて、光忠が状況を報告する。傍目からみると本当にスパイかボディガードか…。はたまた裏社会の住人に見える。
「主、伽羅ちゃんと名前ちゃん、接触成功したよ!」
「ああ、俺もまだ消えてない!んじゃ光忠、次は不動産屋に向かってくれ。部屋を借りるぞ。」
「うん、分かったよ!」
中身は友人想いの、世話焼きなお兄さんなのだけど。
太鼓鐘貞宗がとんとんと降りてくる。
「主、なんだって?」
「ふふ、貞ちゃん!潜入調査だよ!」
「さあて、大舞台の始まりだ!!」
参加意識の高い三振りと一人は、とても楽しそうだ。
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