私の、幸せ。


※約束シリーズ続きもの
例のごとく以下略





「なぁ、なまえ」

「なに?」

「ちょっと話が、あるんだけど」

「やだ、どうしたの怖い顔して」

「あの、さ」

「うん」

「お前も大学卒業して、俺もプロチームでしばらくやってきた」

「うん」

「結婚、も、して、今それなりに安定もしてて、」

「そうね、感謝してますよ」

「お前は今、幸せか?」

「…うん?」

「なまえが今の、それなりに安定してる生活が幸せって言うなら、話はそれで終わりだ」

「……、大我」

「おう」

「ちゃんと、話してよ」

「……っ」

「隠して隠して、終わりかけたんだよ。だからちゃんと話そうって、約束したじゃない」

「……、」

「私頭いいわけじゃないのよ、言ってくれなきゃ、わからないよ」

「………」

「たいが、」

「……そう、だよな。わりぃ、ちゃんと話す」

「お願い、します」

「えー、あー、なんて言ったらいいか……」

「……?」

「今海外の、アメリカのチームから、声かけてもらってる」

「え、それってすごいことじゃないの…!」

「あぁ。で、俺なりに考えて、でもまだ迷ってる」

「うん」

「本音は、いきたい。また向こうで、今度はストリートじゃなくてコートで、プレイしてみたい」

「うん」

「そうするなら、向こうに、海外移住ってことになる。」

「そう、ね。まさか飛行機通勤なんてできない距離だし」

「そのとき、俺はなまえに、お前についてきてもらいたい」

「……え、」

「でも!お前が今の生活が幸せって言うなら、この幸せを手放したくないって言うなら、断ろうと、思う」

「そん、な」

「なまえと離れるなんて、俺が、できねぇ」

「ねぇ、大我」

「おう」

「私をなんだと、思っているの?」

「…は?」

「私は、もうあなたの隣を歩いてるのよ。共に歩む誓いを立てたのよ」

「………、」

「私が、終わりにまで近づいてもあなたのバスケを優先した私が、あなたの夢を応援しないはずないじゃない」

「……お前、」

「そのお話、受けてよ」

「だけどそれじゃなまえと…っ」

「私も、ついていくから」

「は、」

「私もあなたと一緒に、海を渡るわよ?」

「……っ」

「わっ、痛いよ大我力入れすぎそんなにぎゅってしたら私折れちゃうよ」

「うる、せぇ…っ」

「もー、泣かないの」

「泣いてねぇよ!」



私の、幸せ。
(いつまでも、一緒にいること)
(私と、あなたと、あなたの夢と)



6月18日 海外移住の日
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