羨ましいです


「キクチちゃんどうかしたの?具合悪い?」

下を向いて震えだした私にどうやらザウスさんは具合が悪くなったと思った様で不安そうに私に近寄ってきました。


「…何でもありません。ただ考え事をしていただけです。」


そう言って私は顔を上げ、ザウスさんを見ました。

するとザウスさんが急に驚いた顔をして動かなくなってしまいました。

「っ!?」

「…?ザウスさん?」

私は首を傾げて不振そうにザウスさんを見ると今度は口元を手で押さえてじたばたと意味不明な行動を取り出しました。

正直気持ち悪いです。



「っ!っ!(な、涙目!しかも上目って!首を傾げる所とかも!!)」


…………………

…………


「…………」

何時までザウスさんは奇妙な踊りを踊るつもりなんでしょうか。

正直仕事に戻りたいのですが…


じ〜っとザウスさんが落ち着くまで待っていたときにフッとラルク隊長の先程の言葉を思い出した。

『出来たら私の部隊の彼に渡してやってくれ。』

はぁ〜…私の部隊の彼…か……


ラルク隊長の言った私の部隊の彼、その彼とは…。

「…ザウスさん。」

「っ!へっ?!な、何??」

「後で貴方の所に行きますのでちゃんと仕事をしていてくださいね。それでは。」

そう言って私はその場を後にしました。

そう、ラルク隊長が言っていた彼とはザウスさんの事です。

はぁ〜…羨ましい……

そう思いながら私は自分の持ち場へと、とぼとぼと足を進めた。





「えっ?えっ??もしかしてお茶の話OKって事?ほんと!?」


……………………


………………





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