ディアの部屋を勢い良く飛び出し玄関に向かって走っていると前を余り見ずに走っていたものだから居間から出てきた何かとぶつかった。

『っ!!』

「うわっ?!」

勢い良くそれにぶつかってしまい後ろに倒れそうになった時、伸びてきたものに腕を掴まれ暖かいモノに包まれた。

それが何なのか分からずに固まっていると上の方から声が降ってきた。

『大丈夫ですか?』

ビクッ

『ぁ…う……大丈、夫。』

それでやっと何に包まれたのかが分かり勢い良くぶつかった相手から離れた。

案外すんなり離してくれた相手の全体図が離れた事で見る事が出来た。

その相手は何処の物語から飛び出て来られました?と言わんばかりのいかにも王子ですと言った外見をしていた。

うわ〜、何ともキラキラした奴の胸に飛び込んだもんやな〜……ιι

今はその相手もワシの姿を見た瞬間、一瞬だけ驚いた表情をしたと思ったら次にはまた笑みに変わってワシを見てきた。

変わったと言えば少し優しい笑みが怖い笑みに変わったってとこかな〜……あはは…ι


『貴方は………どちら様でしょうか?』

笑みを崩さずにワシに問いかけて来た王子(勝手に脳内でそう変換された)は少しずつワシに近づいて来る。


……何や変な汗が背中を伝い出したんだけど!!ι




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