『犠牲……?何を馬鹿な…』

『何を付けてもお主はおなごを守るためおなごを守るため。本当にそうか?』

『………どう言う意味ですか…』

『お主は逃げておる。全ての罪をおなごに負わせておるよ。何をしてもおなごを守るために仕方がなかったと言って、自ら犯した罪をおなごに負わせて自らは何も罪を犯してない風な言いぐさをして……まったく。馬鹿者以外に何と言うんじゃ!』

『っ!!』

『本当にお主は戦で何を習った!人を恨む事か?復讐する事か?違うじゃろ!!大切な者が亡くなる悲しみじゃろ?!ならば何故生きようとせぬ!おなごを守るためなら死んでも構わんじゃと?馬鹿にも程があるわい!!本当に何もおなごの事を思って無いことが分かる。本当におなごを思うならどんな事をしてでも生きる方を選ぶものじゃろ。もし、どんな事をして生きて帰って来て咎めるおなごだとすればそのおなごは男の事を愛してなどおらずにうわべだけの称号や社会的な地位だけを見ただけじゃ。もしそんなおなごなら帰った時に別れれば良い。寧ろ捨ててやれ。』

『何故そう言えるんですか…?』

『何故じゃと?そんなこと、大切な者が戦場から生きて帰って来てくれる以外に嬉しい事は無いじゃろ?例えどんな罪をおかしていても、のう…。』

『………』

『と言っても罪など犯さんのが一番ええんじゃがな。まあ、簡単に言うならばその者を大切に思うならその者の為に死ぬな、と言うことじゃな。』


『…………失礼します。』

男は俯いたままその場を後にして行った。


『………婆様。何を話していたの?』

婆様に駆け寄り聞いて見た。

『おう!おったのか〜?ふふ、まだお主には早いことじゃよ…』

そう言って優しく頭を撫でてくれ。

『いずれ……分かる時が来るよ。』

その時に見た婆様の顔は優しいモノだった……

…………………

……………

………




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