『………では、話を戻しましょうか。』

さっきまでのほんわかムードをなかったかの様に真剣な面持ちでザイは口を開いてワシを見て来た。

『……ディアは恐らく、フーンさんが聞いた声の主に連れて行かれたか…もしくは着いていった。だけれども彼が貴方に何も言わずに行くとは考えずらい…ココまで考えて確実に分かるのは何等かのアクシデントが彼に起きたのは確実です。』

そこまで聞いてワシは頷く。

『私は恐らくと考えているのは、私達の事を良く思っていないある組織の人物。』

ある組織?

良く解らずに首を傾げているとアラはそうだと言うように頷いた。

『だが本当に奴等なら疑問が残る。』

疑問?

『奴等は有る物と、有る人物に恐ろしい程の執着心を持っている。だからそれを奪おうとする者達をどんな手を使っても消そうとするんだ。』

アラが真剣に言っているとザイは悲しげに

『彼らは狂っています。……何故止めないのか、何故それに頼るのか。何故今の現状を見ずに自らの欲にのめり込むのか。自らの世界を自らで壊そうとしていくのか。本当に、本当におかしいです。』

ザイを見ればギリっと唇を噛み、拳を血が出るのでは無いかというぐらい握り締め苦しそうな顔をしている。



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