*ザイ視点。

彼が仮面を外した時、私達は彼の目を見て固まってしまった…

…………

光の全く無い漆黒の瞳。

その瞳を引き立てる程に身が震え上がるほど整った顔。

フーンの素顔を見て固まってしまっているとカツカツと机を叩く音に私達は我に帰った。

その音は何なのかと音のする所を見れば彼が必死に仮面を置こうとしている所だった。

何故普通に置かないのかと思って彼を見れば、やっとわかった。

瞳は焦点が合っていない。

それに気付くと何で目が見えないと彼が言った事を信じなかったのかと自暴自棄になってしまう。

………心が傷んだ。

それは私だけじゃなくアラもそうだったらしく顔を怒りから哀しみに色変えていた。


『…ありがとうございます……』

彼から仮面を受け取り今は見えてないだろう彼に笑いかけると彼は私に微笑み掛けた。

…本当に優しい笑みで。




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