どれだけ歩いただろうか。 いい加減周りの景色を見る元気もなくなってきた。 ため息をついて前を歩く主さんを見る。 あんなに歩きにくそうな靴をはいているというのに何であんなに早く元気に歩けるのか。 やっぱり若さ? そんな事を考えていると、前を元気に歩いていた主さんの足がピタリと止まった。 不思議に思い主さんを見ると。 主さんはくるりと振り返りワシらの方を向くと、にこっと笑って目の前の建物を指差した。 『着いたよ。ここが私の自慢の家さ。』 それを聞いてワシは主さんが指を差した家を見る。 『う、わ〜…』 これはまた…。 ワシの目線の先には、壁に蔦がひしめき合っていて何とも言えない独特なオーラを放った一度みたら忘れないだろうと思われる家が立っていた。 『さあさ、そんなとこで突っ立ってないで中にお入り。』 その声に家を見ていた目線を下げ、主さんの方を見ると。 家の扉を開け、ワシ等の方を見ながら手招きをしていた。 本当にココにハーン達が居るのだろうか。 ワシは少し不安に思いながらも主さんの下へと足を進めた。 ▼|戻る|▲ |