『……ついた…。』

『…うん…。』

ワシとカゲは離れていくさっきまで乗っていた船を力なく見つめながら立ちつくしていた。

まさか船を降りるだけでこんなにも疲れるだなんて…

深いため息をつきながら先ほどまで繰り広げられていた出来事を思い出した。

ラナ君がハルンから離れずに駄々をこねて泣き叫ぶもんだからロサさん共々必死になってハルンから離れるように説得をしたのだ。

最初は力づくで離そうとしていたのだけれどもどうにもラナ君の力が強くて離す事が出来なかったのだ。

それにしてもロサさんが最後に言った言葉が気になる。

(どうせここで離れてしまってもすぐに会うことになるんですから、ね?)

すぐに会う…か…

………まさか…な。


『お母さん。』

あ、ついつい考え込んでしまった。

『ん、どうした?』

横に立っているカゲに目をやると不安げな瞳と目があった。

『……ハーン達が…。』

そう言ってカゲが後ろを振り返った。





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