『………………』

なんだったんだろう…。

唖然と二人が走り去って行った方向を見つめて佇んでいると隣から腕が伸びてきた。

『……はぁ〜…癒やし…。』

そう言ってワシを抱きしめるハルンの腕の力の弱々しさに先ほどのワシが発した応援する等の言動に少し罪悪感を覚えた。

少し、軽率なこと言っちゃったな…

ワシは苦笑をして今だにワシを抱きしめているハルンの頭を優しく撫でた。

『っ!嫁!!』

ワシが頭を撫でた事に驚いたのかハルンはびくりと一回体を震わせ勢い良く頭を上げた。

『…お疲れ。さっき、悪かった。』

ワシは仮面の中で申し訳なさげな表情をしながらそう言うと。

『よ、嫁……』

そのワシの謝罪にハルンは目を潤ませながらふるふると震え、ワシを抱きしめてる腕の力を強めた。

本当に弱ってるみたいだし今だけは甘やかしてやるか。

そう思いハルンを撫で続けていると。


ゲシッ


『グッ!』

なっ!!

先程まで目の前にいたハルンが見事なまでに綺麗な飛び蹴りを受け、壁に顔から突っ込んでいった。

いきなりの事に驚いているワシの目の前にはハルンと変わって満面の笑みを浮かべたカゲが立っていた。

『お母さん♪ご飯の時間だよ?食べにいこ。』

『…………貴様…』

『ん?まだ生きてたの?』




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