『ん?ああ、そういえば言っていませんでしたね。えっと、私たちの自国はビリサマです(ニッコリ)』

……えっ?

ぐったりしているハルンを横目にワシは固まった。

『あれ?どうかしましたか?』

『え、あ、いや。別に…』

あ、はは、とワシは乾いた笑みを浮かべた。

そんなワシを見ながらロサさんは首をかしげたが気にするのは無駄だと思ったのか話を続けるように口を開いた。


『ビリサマのリンベルンという都市に私たちは向かってるんですよ。』

『リンベルン?』

『はい、ビリサマ大陸の中心都市で凄く発展している場所なんですよ?王族や古来からの貴族などが住んでいる場所でもあるんです。』

『へ〜。』

ビリサマ大陸の中心都市…リンベルン…か…。

……ん?

なんだろう、なんか懐かしい感じが…。


『どうでしょう。興味、持たれましたか?でしたら一緒に…』

ロサさんがそこまで話すとロサさんから何やら軽やかな音楽が響いてきた。

『Σっ!!や、ヤバいですよ!ラナ!』

音楽が流れているであろう胸ポケットを押さえながらロサさんは顔を青ざめ慌てたようにラナ君をハルンから引き剥がしラナ君の服の襟を掴み足早に来た道を戻りだした。

『すみません!話の途中ですが失礼します!この件、考えていてくださいね。それでは!』

『あ〜ん!いい所だったのにー!待っててね!ダーリーン!!!』

ラナ君はロサさんに引きずられながらもこれでもかってくらいの投げキッスをハルンにしながら二人は慌てて去って行った。





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