『Σあー!!何処に行くの!ダーリーンー!!』


ドンッ


『Σっ!!?』

美少年達から離れて角を曲ろうとした時、ワシらが居ないことに気付いたのか美少年は駆け足で近寄ってきて勢い良くハルンに飛び付いた。


『っ!離れろ!』

『い〜や♪』

腰にしがみついた美少年に嫌そうに顔をしかめながら腰から外そうとするが、思ったよりも美少年の力が強いのかなかなか外せず、ハルンはますます顔をしかめた。


あんなハルンはじめてみたな〜。


そうぼんやりと思いながら二人を見ているとワシの隣に人が立つ気配がした。

『ハァ……すみませんιラナがご迷惑を現在進行形で掛けてしまいましてι』

隣に目をやると深いため息ついてハルン達を見つめている先ほどの男がいた。

『ん?ああ、すみません。自己紹介がまだでしたね。私はロサと申します。そして先程から騒いでいる彼はラナです。』

そう言って微笑みかけてきたロサという男は肩を少し過ぎた辺りでパッツーンと揃えられた髪に糸目のミステリアスな雰囲気を漂わせている男だった。


『あっ、因みに私達は自国に戻る所なんですよ。』

『え?あ、はあ…そうか。』

いや、別に聞いていないんだが…。

ってかこの人なんか怖いんだけどι

ニコニコ笑いながらワシを見てくるのはいいけど、変に全身ねちっこく見られてる気がしてさっきから全身に鳥肌が立ってるんだよ。


冷や汗を流しながらいるとまたロサさんは口を開いた。


『あなた方はどちらに行かれるんですか?』





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